中学受験者数は昨年とほぼ変わらず
2月1日私立中学受験者数の推移、募集定員及び受験比率
データ提供:森上教育研究所
森上教育研究所では毎年、2月1日の一都三県の受験者数を指標として、その年の受験状況を分析しています。同所作成の「2月1日私立中学受験者数の推移、募集定員及び受験比率」によると、昨年の受験者数41,288人に対し今年は41,251人、前年対比100%という結果でした。新型コロナウイルスによる経済状況の悪化で、受験者数が減る予想もありましたが、昨年と同等、リーマンショック前のピークと並ぶ受験者数でした。
続いて「2月1日私立中学受験者数・公立小卒者(1都3県)前年比」を見ていきましょう。このデータでは、受験者数前年比率、6年生人口の前年比率を比較することで、中学受験をする割合に変化があるのかどうかがわかります。
2月1日私立中学受験者数・公立小卒者(1都3県)前年比
データ提供:森上教育研究所
昨年の数値と比べると、わずかに中学受験をする割合が減っていますが、実際は昨年とほぼ変わらない激戦となりました。
埼玉・東京で出願者数変わらず、千葉・神奈川で減少
首都圏中学入試の皮切りとなる1月10日入試では、昨年約6,000人が受験した栄東中学校の動きが注目されました。入試当日の混雑を考慮し、出願者数が減ることも予想されましたが、受験者数は昨年とほぼ変わらない結果となりました。入試を2日間にわけ、すべての机にアクリルパネルを設置するなど、感染防止対策を徹底したことで受験生の安心感を得たようです。
一方、千葉では出願者数が減少した学校もありました。2月1日本番の腕試しとして1月校を受ける層が、埼玉の学校を受けて千葉の学校を受けないといったような、受験校数を絞った動きも見られました。
神奈川も出願者数・受験者数ともに減少した学校がいくつかありました。例年、2月1日に御三家を受験する層は、2月2日に神奈川の栄光学園・聖光学院を受ける傾向にあります。しかし、今年は、都内の学校を受けた受験生も比較的多く、遠方の学校への受験を敬遠する傾向も見られました。