中学受験【後編】6年生秋からの模試の受け方、結果の捉え方(2ページ目)

模試の結果はあくまで目安!

模試から受験者動向を読み取る

模試の結果を見比べてみた時に、同じように点数が取れていたとしても、実施される時期によって志望校の判定結果が変わることもあります。受験者が志望校を変えたことによる影響です。

たとえば、志望校を決定するための塾の最終面談が行われる11月以前と以降で、志願者数が大きく変動することがあります。そのようなことも過去に蓄積されたデータをもとに計算されますから、信ぴょう性はあります。

受験本番も志望の傾向が変わる可能性があると判断し、変動があることを視野に入れておきましょう。

塾の模試は自己PR型や新設入試の判定が難しい

近年、4教科型ではない特殊な入試が増えています。模試は4教科での判定結果をもとにしているので、もちろん特殊入試には対応していません。新設入試は、過去のデータがない分、判定は難しいものになっています。

合否判定のたびに志望校を変更しない

一回ごとの判定結果を基準にして、受験校を選ぼうとすると迷います。
まずは受ける学校の大きな方針を固めましょう。

第一志望校が決まっているご家庭であれば、
「第一志望との偏差値の幅を15ポイントとって第三志望を決めよう。第一志望と第三志望の間の偏差値帯に第二志望を入れよう」
といったような大枠を決めます。
そこから、候補となるいくつかの学校を第三志望まで選びます。

次に、安全に得点できる学校はどこか、一番労力が少なく点数を上げられる学校はどこかと見ていくとかなり絞り込めると思います。

こうして、受験校となり得る学校をあらかじめ決めておけば、模試の合否判定に振り回されることはありません。

edu’s point

「中学受験本番まであと〇か月…」と考えると、模試の結果で不安な気持ちにもなることも、受験校に迷いがでることもあるでしょう。しかし、模試の結果はどのように受験に臨むかを考える材料にしか過ぎません。もし気持ちが不安定になったら「模試はあくまで目安」という西村先生に言葉を思い出していただければと思います。

西村 則康(にしむら のりやす)先生

西村 則康(にしむら のりやす)先生

プロ家庭教師・名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員、塾ソムリエ。 40年以上、中学受験指導を一筋に活動し、開成、麻布、桜蔭中学などの最難関中学に2500人以上を導く。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で切り込んでいく授業は親からの信頼も厚い。『御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方』(アスコム)、『中学受験は親が9割 最新版』(青春出版社)、『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。