神奈川県公立高校の入試制度、選抜の仕組みは? 2022年入試は?

神奈川県公立高校入試はかつて、「神奈川方式」と呼ばれる特殊な選抜方法が行われていました。昨今では2013年に前期・後期選抜が廃止になるなど変化が多いことで知られています。
そこで、神奈川県の公立高校の入試について、入試の特徴や2022年入試、また今後予定されている学校改編について紹介します。
(本記事は2022年1月21 日時点で発表されている情報をもとに作成しています。)

神奈川県公立高校入試の特徴と選抜の仕組み

入試の特徴

共通選抜では、「内申点」「学力検査」「面接」および「特色検査」の結果で選考が行われます。

調査書(内申書)

調査書では中2および中3の9教科の成績が評価されます。計算方法は、基本的に中3の成績は2倍で計算されますので、中2の9教科×5点満点の45点に加え、中3では2倍の90点満点を足した計135点満点での評価となります。
また学校によっては、内申書においても3教科まで各2倍以内の倍率で計算する「重点化」を行っています。例えば、横浜国際高校では英語の評定を2倍にしています。

学力検査

学力検査

神奈川県立高校の入試の学力検査(テスト)は2013年に学校独自の問題を廃止し、全校共通のテストとなりました。また、選抜における学力検査の重要度が高いのも特徴です。

実施科目は原則として国語・数学・英語・理科・社会の5項目で、各100満点となります。しかし、学校によっては特色検査を行う代わりに3~4教科になったり、特定の科目の得点を2倍にする「重点化」(2教科まで)を行ったりする場合があります。

面接

神奈川県公立高校入試では受験者全員に面接を行います。出願時には、入学願書と共に面接シートの提出も必須です。
面接では二人以上の面接官(教員)を相手に10分程度の質疑応答が行われ、主に受験校の志望理由や入学後の意欲を確かめます。
「入学希望の理由」、「中学校で取り組んだこと」など、面接シートの内容を参考に質問されるほか、各学校や学科の特色に合わせた個別の質問(今どんなことに興味があるか、自分の性格など)もされます。その学校を選んだ具体的な理由を伝え、熱意をしっかりと伝えることが重要です。また態度や言葉づかい、髪型などもチェックの対象です。

一部の学校で実施される特色検査

一部の学校で実施される特色検査

特色検査を実施する高校は「自己表現」もしくは「実技」を実施します。
「自己表現」は学力向上進学重点校(横浜翠嵐、湘南、柏陽、厚木、川和など)」に選ばれるような難関校で行われています。内容も論理力、思考力が求められる傾向にあるようです。
検査では、討論やスピーチのほか、記述形式の場合では、全校共通問題と各学校が選択する問題が織り交ぜられて出題されます。例えば2021年の場合は全7問のうち第1~2問目が共通問題、3~7問目は各学校が選択した問題が出題されました。

また「実技検査」では美術系学科であればデッサン、体育系学科ではスポーツ、英語系学科では英語による会話のやり取りなど、各学校・学科が求める生徒の能力をより直接的に検査します。

選抜の仕組みは2段階

選考は第1次と第2次の二回に分けて行われます。第一次で定員の90%、第2次で残りの10%の人員を決定します。
第1次選考では、内申書(調査書)、学力検査、面接、特色検査(学校による)で選考が行われます。
内申:学力検査:面接の評価比率は各学校で決められ(合計10)、多くの学校では4:4:2と5:3:2の割合で評価するなど、内申を学力検査と同等もしくはそれ以上に評価する学校が多くあります。
また、上位校になるほど内申よりも学力を重視する傾向の学校もあり、厚木、神奈川総合、市立横浜サイエンスフロンティアなどは3:5:2、横浜翠嵐だけは2:6:2となっています。

第2次選考では内申書(調査書)は選考に入りません。第2次選考では、8(学力):2(面接)が約70%、7:3が約2割と学力検査の結果がより重要になります。
※特色検査はこれらとは別に評価がなされます(実施校のみ)。