【時事問題予想つき!】中学受験、残り3か月で後悔しない社会の勉強法

過去問演習が中心となるこの時期は、思ったように点が取れず何を優先に対策したらよいか悩まれるご家庭も多いと思います。時間がない中で効率よく学習を進めるには思い切った方向転換も必要です。
そこで、「合格を勝ち取るには、社会を家庭学習で固めることがダントツの近道」と10年以上にわたり中学受験の社会科専門塾を運営、教材を開発する「スタディアップ」代表の野村恵祐先生にお話をうかがいました。

ボリュームゾーンの受験生こそ時事問題対策よりも基礎固め!?

“レジ袋有料化”だけを覚えても大きな得点にならない!

10月末から11月初旬にかけて、大手塾から時事問題対策用の書籍が出版されます。そのため、時事問題に取りかかる受験生が多いですが、時事のトピックだけを追いかけて根本的なところが抜け落ちているケースがかなり見受けられます。

たとえば昨年7月から始まった「レジ袋有料化に関して言えば、地球温暖化などの環境問題というのがどういうものか、毎年行われる主要国首脳会議(G7)はどういう集まりなのかといった地理や公民の基礎知識を押さえておく必要があります。

基礎知識がないと時事も頭に入らない

基礎知識がないと時事も頭に入らない!

思考力を問うような記述問題を出す難関校以外は、時事問題だけで大問が形成されるということはほとんどなく、地理・歴史・公民の基本的な単元と時事が複合問題として組み込まれる出題形式です。

時事問題はその年に起きたことが中心となるため、対策すべきことが明確で取り組みやすいように感じます。しかし、地理、歴史、公民の基礎知識ありきの問題も多いため、ボリュームゾーンの受験生は時事問題で駆け込み的にプラス数点を取りに行くというより、地理・歴史・公民の重要単元を確実に答えられるようにした方が得点につながりやすいのです。

地理・歴史・公民をしっかりと押えた上で、時事は4つ目の分野と位置付け、最後の最後で数点を取りに行くイメージで対策することが、社会で得点するための重要ポイントです。

過去問が5割前後しか取れない…“即効性”のある対策とは?

問題演習中心から暗記中心の学習への方向転換が肝!

社会で点数が取れないのは、これまでの家庭学習で暗記をする時間が圧倒的に足りなかったことが原因です。問題演習の繰り返しばかりで覚えることを意識的に行わなければ、やはり点数は上がっていきません。
逆を言えば、覚える時間をしっかり取りさえすれば、やった分だけ点数が取れるようになります。

家庭学習は「短時間で少ない量」がポイント

一問一答形式のテキストを、地理・歴史・公民の全単元をやることです。

テキストは定番なものでいうと、サピックスの「コアプラス」、日能研の「メモリーチェック」も有効です。
一問一答で自分の現在の弱点を浮き彫りにしたい場合は、なんとなく解答を見ながらやるのではなく、ノートに答えを書きます。
全単元を一通りやってみて、現時点でどのくらい覚えられているか現状分析を行います。
正解が8割に満たない単元に関しては、塾教材の該当箇所を覚え直します。

暗記が苦手な受験生は、短い時間で少ない量を覚えるやり方がおすすめです。できたら保護者が計画を立て、問題を用意し、時間を計り、どの程度できているかを確認します。

算数・国語・理科にてやるべき課題もあり、どれだけの時間が社会に割けるかは受験生によって異なると思います。すべての単元をやり通すことが難しいケースもあるでしょう。
しかし、たとえ公民分野の最後までしか行きつけなかったとしても、社会は覚えた分だけ得点に繋がります。ほか教科に比べて“即効性”があるのです。