【中学受験2023】一都三県、私立中高一貫校の給食事情は?(2ページ目)

特徴的な給食風景のある学校

上野学園中学校・高等学校

校舎3階のフロアすべてが食堂となっており、月曜~金曜まで中学1年生~3年生と教員が一緒のテーブルにつくグループ給食を実施しています。上級生が下級生の給仕をしながら声がけをする場面が見られ、家族のようなアットホームさがうかがえます。献立は栄養士が考えており、主食はパンよりもご飯が多く、必ず牛乳または乳製品がつけられるなど、栄養バランスがとれたメニュー内容となっています。

川村中学校・高等学校

創立当初から給食を「会食」と呼び、毎日の会食を、準備や片付け、よりよい食習慣を身につける場として位置づけています。中学校・高等学校両方で会食が行われているのも特徴の一つです。小学校校舎の厨房で自校調理を行っており、いつもできたての食事を食べることができます。毎月の献立表には産地を明記し、行事食なども取り入れて日本の食文化の継承を図っています。

文京学院大学女子中学校 高等学校

中学校の3年間で給食を実施。日本の食文化を継承していきたいという思いから、箸の持ち方、魚の身の外し方といった日本食の基本所作も指導しています。中学1年生は全員カフェテリア、ほかの学年は1週間交代でカフェテリアを使用し、それ以外の日は基本的に各教室で食事をします。カフェテリアを利用する学年の給食当番はクラスに関わらず一学年分の準備を行います。家庭科の授業と連携したり、郷土料理や家庭では取り入れにくい手の込んだ料理を作ったりと、バラエティに富んだメニューを提供しています。

新渡戸文化中学・高等学校

学校の創立者である農学者・新渡戸稲造先生の思いを継承し「食」を非常に大切にしています。中学校で毎日提供される給食は「新渡戸ごはん」と呼ばれ、栄養士が監修。食品添加物を使用せず、給食だけで1日に必要とされる30品目のうち15品目の食品がとれるメニューとなっています。毎日校内で手作りする給食は、生徒だけでなく保護者にも人気です。高校生になるとお弁当やカフェテリアを利用することができます。

※学校サイトの情報をもとにインターエデュ作成

なぜ私立中学校はお弁当が多いの?

文部科学省による2019年の学校給食調査によると、東京都・千葉県・埼玉県の公立中学校における完全給食の実施率はほぼ100%、神奈川県の公立中学校の完全給食実施率は44.5%です(※)。一方、私立中学校で給食を実施している学校はごく一部となります。
※「平成30年度学校給食実施状況等調査の結果について」(文部科学省)
(https://www.mext.go.jp/content/1413836_001_001.pdf)を加工して作成

私立中学校で給食の実施率が低いのは、給食に対して国からの補助がある公立と違い私立にはそのような補助制度がなく、自校の予算で調理施設や食材の調達、調理員などを揃えなければならないというハードルがあるためです。

その中であえて給食を実施している学校は、給食を食育という教育の枠組みとして位置づけて力を入れている場合が多く、生徒にとっても豊かな知識や体験が得られる機会の1つとなっています。

学校生活をおくるうえで、昼食は毎日のことです。どのような場所でどのように食べるのか、どんなメニューがあるのかといった点も、学校選びをするときにチェックしてはいかがでしょうか。