中学受験、必ず成績が上がる「受験勉強のノウハウ」とは?(3ページ目)

学科別に覚えておくとトクをする「虎の巻」や「不合格になる10か条」も⁉

とても興味深かったのは、中学受験については短期決戦と割り切り、あらゆる手段で子どものモチベーションを上げ、効率的な勉強法を紹介しているところです。

たとえば歴史。人名や地名など覚えなければならないことが多く、歴史の流れを無視してキーワードだけ覚えても限界があります。興味関心が成績を大きく左右する科目なのです。そこで著者がすすめているのが歴史マンガ。これは効果絶大だそうです。

確かに、大人でも横山光輝の『三国志』『史記』をきっかけに中国の古代史に詳しくなったり、『ベルサイユのばら』を読んでフランス史に興味を持ったりする人が大勢いるのですから、子どもであればなおさらでしょう。とにかく、使えるものは何でも使うという姿勢です。

受験で肝心要の子どものモチベーションについても、おだてたり騙したりしてでも受験当日まで高く保つ工夫を親がすべきだと著者は述べています。それでもなかなか成績が上がらない、子どもが挫折しそうというときには、迷わず塾に相談、というのが著者のアドバイス。このときの電話のかけかたや、いつ電話すると丁寧なアドバイスがもらえるのか、などについても紹介されており、参考にするといいでしょう。

各所に掲載されたコラムも9本あり、こちらもとても参考になる内容です。巻末には学科別に覚えておくとトクをする虎の巻を付録したほか、最後には「不合格になる10か条」まで掲載。これと7つのルールを読み比べてみるといいでしょう。

読み終えて思うのは、全体的にとても密度が高いということ。しかし、一つひとつのテーマが独立しているため、全体を通して読んでも、興味を持った部分を拾い読みしてもすんなりと読み進められます。中学受験を目指しているご家庭にとって、とても有益な情報が得られるはずです。

書影_中学受験 小6になってグンと伸びる子、ガクンと落ちる子 6年生で必ず成績の上がる学び方 7つのルール【完全版】

2011年の発売以来、多くのご家庭から圧倒的支持を受け続けてきた中学受験のロングセラーに、40ページ相当の大幅な加筆を行い「完全版」として刊行! 6年生になって成績が“急伸するケース”と“急落するケース”、それぞれの原因を詳しく分析しながら、「6年生で成績が伸び悩んだり、急落した時の学習法」や「6年生で伸びるための5年生での学び方」などを詳しく紹介しています。中学受験を成功へと導く、すぐに役立つ貴重な情報満載の1冊です

akira(アキラ) さん
1972年、東京都生まれ。学生時代から塾講師として中学受験指導に携わり、大学卒業後は塾業界に就職。2018年、関東圏の拠点教室である現在の教室へ室長として就任。保護者や生徒に対するきめ細かいコミュニケーションを重視した教室運営を行うことにより、2019年春の入試で御三家総数をはじめ、開成、雙葉、早稲田、渋幕の合格数は関東圏にある同塾41校舎の中でNo.1の実績を誇る。ブログでも独自の学習指導法を公開しており、保護者はもちろん、塾関係者からもそのノウハウに注目が集まっている。