姉に影響されたのか弟も受験をしたいと。でも、どこまで本気なのかわかりません

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.14

Q.姉に影響されたのか弟も受験をしたいと。でも、どこまで本気なのかわかりません

中1の娘と小4の息子を持つ母親です。

娘は最難関校に通っています。小5からサピックスに通い、合格間違いなしと言われて合格しました。学校でも周囲から別格扱いの成績を残し、サピックスでも特にできる子と言われてきました。手のかからない子でしたから、私もラクをさせてもらいました。

そんな姉を見ているからでしょうか。4年生の息子が中学受験したいと言い出しました。息子は学校の成績は真ん中よりは上ですが、姉とはだいぶ違います。それに男の子だからでしょうか、成長がだいぶ遅いように感じます。そんな息子ですから、私も主人も、4年になったとき、中学受験より高校受験のほうがいいだろうと考え、小学校時代はのびのびとさせてやろうということにしました。

ところが最近、学校で進学塾に通っている友達から話を聞いて、あそこの教室の先生はいい先生だって、僕も早く行かせてと言い出しました。お姉ちゃんは塾に行ったのに、どうして行かせてくれないの?などと言います。そうなると親としてもという気にもなりますが、どこまで本気なのかというところが、どうもあやふやです。

息子にはいろいろと聞いてみたのですが、姉の話の中の電車通学にあこがれているふしもあります。鉄道や電車が大好きです。本人はそれだけじゃないと言い訳をしますが、どこまで本気なのかわかりません。

私も主人もどうしたものかと迷ってしまいまして、おおたさんにご相談しようということになりました。どうぞよろしくお願いします。

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A.中学受験の目的はさまざま。息子さんの希望とご両親の考えのどっちを優先すべきか、じっくり話し合ってみてください

娘さんと息子さんのそれぞれの性格を冷静に見て、的確な判断をされているのですね。きっとご夫婦もよく話し合い、安定したご家庭で子育てができているのだと思います。すばらしいと思います。

お姉ちゃん、すごいですね。そういうお子さんはいるんですよね。努力すればみんながそうなれるということでもないと思います。そういう才能を存分に引き延ばしてあげることのできるご夫婦なのだろうと思います。

そして息子さん。自分から中学受験をしたいと言い出すなんて、頼もしいですね。自分の未来に意志をもってのぞんでいるということですから、その芽も摘み取りたくはないですよね。

まずは息子さんとじっくり話し合うことが大事ではないでしょうか。1度ではなく、何度か回を重ねてもいいかもしれません。

そして、息子さんがなぜ中学受験をしたいと思うのか、そしてご両親がなぜ中学受験を回避したほうがいいと思うのか、論点をはっきりさせたらいいと思います。

これは単なる推測ですが、ひょっとしたら、rootさんご夫婦は、遅咲きの可能性が高い息子さんの場合、高校受験をしたほうが偏差値の高い学校に入れると考えて、中学受験を回避しようとしていませんか。損得勘定をしていませんか。だとしたら、ちょっと冷静に考えてみてください。

中学受験は、大学進学に有利な学校に入るためにするものではありません。思春期という多感な時期を過ごす環境を、自分自身で選ぶことです。自分に適した環境を得られなかったら、伸びるものも伸びなくなってしまう可能性だってあります。

そうやって考えたときに、息子さんの言うことと、ご両親の考えのどっちを優先すべきか、じっくり話し合ってみたらいかがでしょうか。

拙著『中学受験という選択』もお読みいただけると、参考になるかもしれません。

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