娘につきっきりで勉強を見てきた結果、自分から勉強を進めることができなくなってしまいました。

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.61

Q.娘につきっきりで勉強を見てきた結果、自分から勉強を進めることができなくなってしまいました。

こんにちはいつも拝読し参考にさせていただいております。

この春から5年生になる娘のことで相談させていただきます 。

3年から通塾し中学受験希望です。

当初から私がつきっきりで塾の宿題やら、塾のテスト勉強を見てきました。(一緒に問題を解いたりここからここまできっちり覚えなさいだとか事細かく)

なので、今だに何したらいい? 次は何やるの? と自分で計画立ててすることができません。

塾に相談しましても「これからは一切見なくていいので我々に任せてください。」と言っていただき、そのことを娘に伝えて「わからないところがあれば先生に聞いて自分で考えてね。」と言いましたら、

「自分だけでテスト勉強してもいい点が取れない何からすればいいのかわからない。」

と言い出し最後に泣いて勉強に集中することができません。

今まで親に反抗することなくなんでも言うこと聞くいい娘だったので、私も子どものことだけを考えてやってきたのですが、今すごく後悔しております。

このままではいい受験生活を送ることができません。

おおたさま私はどうしたらいいのでしょうか?

子どもに寄り添うのか自分でさせたほうがいいのかわかりません。

どうかお教えくださるようお願いします。(クーま)

回答はこちら

A.少しずつ自分でやらせてみましょう。自分一人でできたことがあったら、そのことを認めてあげてください。

これまでお母さまがつきっきりで勉強を見られていたのですね。ストレスも多かったことでしょう。

それができるだけで親としての力量があるんだなと思います。

ただ、おっしゃるように、手をかけすぎれば、子どもの自立は遅れます。何でもやってもらえると思ってしまいます。

受け身、指示待ちが染みついてしまいます。放任もいけないし、手をかけすぎてもいけないし、ちょうどいい塩梅というのが子育ての難しさですよね。

基本的には塾の先生とコミュニケーションをとりながら、歩調を合わせればいいと思うのですが、 これまで密着状態だったお嬢さまを、「これからは一切見なくていい」という感じで急に突き放すのはある意味ショック療法過ぎるかなと思います。

急激な変化は子どもを不安にします。少しずつ自分でやらせてみて、自分でできたことがあったら、「自分一人でできたじゃない!」と認めてあげてください。

そうやって、3歩進んで2歩下がるくらいの気持ちでいけばいいのではないでしょうか。

子育ては選択の連続と言われますが、「ゼロか百か」の選択では
ありません。

グラデーションの中から、そのつどちょうどよさそうなところを選んで、「あれ、違うかな?」と思ったらちょっとずらして選び直す。

そうやって微調整しながら受験生活を送ってみてください。

そうすれば、かけがえのない受験生活になると思います。

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