男の子を伸ばすヒントは「男子校」にあり!

男の子は女の子に比べて成長が遅い…。男の子を持つお母さまであれば、そう感じることが多いのではないでしょうか。だからといって、無理に何かをやらせようとすると反発が大きいのも男の子の特徴です。そんな男の子をどう育てたらよいか、男の子の育て方に不安があるお母さまのために、今回はおおたとしまささんの著書「開成・灘・麻布・東大寺・武蔵は転ばせて伸ばす」を取り上げます。
本のタイトルに並ぶのは難関男子校。男の子の育て方とどう関係しているのかとても興味深いですよね。おおたとしまささんに、男子校と男の子の育て方についてお聞きしました。

今回取り上げた著書:「開成・灘・麻布・東大寺・武蔵は転ばせて伸ばす」
祥伝社新書

グローバル化、ネット社会、スマホ依存、人工知能、男女共同参画社会…と、子どもたちを取り囲む環境は激変しています。そんな中で、男の子をどう育てたらいいのでしょうか。特色ある教育で知られる名門校の先生方の話をまとめた本書には、21世紀に生きる男の子の教育のヒントが詰まっています!

思春期の男の子にとって、女の子の目は「強力磁石」!?

思春期の男の子にとって、女の子の目は「強力磁石」!?
教育ジャーナリスト: おおたとしまささん
受験や育児に悩む、お母さま方の気持ちに寄り添ったアドバイスが好評。

インターエデュ: 男の子の教育を、男子校という視点から紐解いていくのはたいへん面白いです。男子校というと「女の子がいない環境でのびのび育つ」ことがよさとしてあげられますが、そのあたりにも男の子の教育のヒントがありそうですね。

おおたとしまささん: 思春期の男の子は、どうやったら女の子にかっこいいと思われるか、人気者になれるか、そういう価値観で自分の行動を決める傾向にあります。自分がどうしたいかよりも、異性からどう見えるかを基準に自分の言動を規定してしまいます。それぐらい強力な価値基準となります。

つまり、「異性の目」というのは、まるで強力磁石のように、いろんな価値観をねじ曲げてしまう。男子校にはそれがないので、自分の内なる声が聞こえ、素直な自分の価値観を表現しやすいんです。

男子校の中であれば、例えば、異性に関する話題で、女の子がいたらその時点でアウトというような極論も言えます。すると、「でもそれって違うよね」というまわりからのリアクションがあって、実体験として失敗を経験できます。しかも、失敗が致命的になることなく、自分の考えを修正できることが男子校の良さです。
未熟な考えや極端な考えは、言葉にしてこそ議論ができるわけで、本心で思っていることを言語化しなければ、自分の中での考えは変わらないですから。

インターエデュ: 本書の中でおおたさんが、「失敗体験こそが、思春期における最高の教材であり、男の子はよりその傾向が強いと感じる」とおっしゃっていたのは、まさにこういうことなんですね。