「お父さん、しっかり練習してよ!」

さて、面接練習です。これまで次男は夏期講習の面接特訓を受けて、あらゆるパターンの質問に答えられるようになっていました。ただ、まだ声は小さい。でも、あまりそのことでプレッシャーをかけると「自分は声が小さいからダメなんだ」と自信がなくなってしまうと思って、もう声の大きさについては触れないようにしました。本人がいちばん分かっているでしょうからね。
そして、塾で面接練習の日がやってきました。次男、夫、私で当日さながら、服装はもちろん紺色のスリッパも準備して向かいました。脱いだ靴を入れる袋を忘れて、「今日はまだ練習で良かった」なんて言いつつ、緊張して控室で待ちました。夫は塾の教室内に入るのもはじめて。「ノックの回数は? 荷物置き場はどこ?」とドキドキです。
とはいえ、普段夫は人前で話す仕事もしていますし、これまで緊張しているところも見たことがないので、きっと大丈夫だろうと高をくくっていました。それが…先生からの一つ目の質問でさっそく転びました。
先生「それでは、お子さんのことを紹介してください」
夫「はい。えぇ…次男です」
(私の心の声)
「…ちがーう! それは願書に書いてあるからみんな知ってること! 練習したでしょ!?
長所を言えばいいんだよ!! 早く続きを…」
夫「…」
その後、なんとか次の質問には答えることができましたが、確実にいつもの饒舌さはありません。先生の冷たい視線が刺さり、なんとも居心地の悪い教室になってしまったのです。教室を出てエレベーターに乗った途端、夫は「(次男)○○くん、ごめん!!」と一生懸命謝っていました。次男は「もー、お父さん、しっかり練習してよ!」と。
夫いわく、自分のことならなんでも話せるけど、息子のこととなると急に緊張してしまった。自分でもこんなふうになるとは思わなかったと。このまま本番を迎えるのは心配過ぎるので、1回12,000円する面接練習を、もう一度受けることに。
前日のYouTubeが救ってくれた!?
2回目の面接練習では、見違えるほど良くなったと褒められた夫。面接当日は靴袋もしっかり持って出発しました。待合室ではあまり緊張せず、リラックス。でも、教室に入るとさすがに緊張しました。
まず、息子が質問されます。前日に何をしたらいいのか分からず、次男とYouTubeでよく見ていた、TSUBASA通信教育の高橋先生の動画を見ることにしました。高橋先生の動画は分かりやすくて、かわいいキャラクターが出てきたりと、親子そろってファンでした。その高橋先生の動画に「面接練習100問」というような動画を見ながら、次男に答えてもらいました。
その動画に、これまでノーマークだった「園長先生のお名前は?」という質問が。「あれ?園長先生の下の名前なんだっけ?」なんて言って確認していました。なんと、面接当日に同じ質問があり、次男は堂々と答えられたのです! しかもそれが序盤の質問だったので、次男は自信がついたようで、声もはっきりとしていました。本番がいちばん良かった! 夫も私もなんとか答えられたかなという感じでした。
親が頑張れるのはここまで。あとは試験本番を待つのみです。一方、長男はというと、次男のことを心配しながらも、自分にも本番がやってくるのだと、彼なりに緊張が高まったようです。のんびり屋さんの長男もそろそろエンジン全開になるのか…。
この続きは次回! 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。