小学校受験という登山のプロガイド!【エデュママ社員突撃隊が行く!KAKERU幼児教室−前編−】

今回の「エデュママ社員突撃隊が行く!」は、2025年入試で、生徒数90名の中から、慶應義塾幼稚舎5名、慶應義塾横浜初等部9名、早稲田実業に5名、暁星小学校に20名など、累計156名の合格者を輩出したKAKERU幼児教室。小規模教室でなぜこれほどの合格者を出せるのでしょうか。エデュママ社員のおすずさんが参観し、さまざまな疑問を代表の宮澤裕介先生にうかがいました。

お話をうかがった方

先生の写真

KAKERU幼児教室 代表 宮澤裕介先生

複数の教室で幼児教育に20年以上携わる。講師として1歳児から年長児まで指導(体操・行動観察・総合クラス・ペーパー)。カリキュラム作成、模試運営、入試解析、保護者向けセミナー・願書添削等の業務を行う。講師育成にも力を入れ、研修会や、勉強会を定期的に開催。

エデュママ社員突撃隊

エデュ社員ママ

おすずさん
年間数百校以上の学校や塾を訪問する営業部長。小学校1年生と2年生のママでもあり、中学受験を目指しているのでママ目線で学校や塾選びを考える毎日。娘には小学校受験を選択せず。愛読書は受験情報誌

小学校受験人気上昇の理由は?

インタビューの様子

おすずさん:先ほど、ペーパークラス、行動観察クラス、体操クラスを授業参観させていただきました。みなさん真剣に頑張っている姿にまず驚きましたし、難しい課題を先生に導かれながらもしっかりと解いていくレベルの高さに感動しました。今回は、なぜKAKERU幼児教室の生徒は合格率が高いのか。その秘密を紐解いていきたいと思っています。まず、教室に通っている方はどういう方が多いですか?

宮澤先生:私立小学校受験を選択される方の多くは、教育熱心で意識が高く、「少しでもいい環境でお子さんを育てたい」という共通した考えをお持ちです。私立小学校には教育方針がしっかりとあり、すべての活動はその教育方針に沿って行われます。そうした環境が大事なのです。例えば、何かしてもらったら「ありがとう」をみんなが言う環境で育つと、人のために何かをしたいと思う機会が多くなる。反対に、「ありがとう」を言われない環境で育つと、人のために何かをしたいと思う芽が育たなくなります。幼い子は人生経験が少ないので、そのような価値観になることも仕方がないことだと思います。保護者の方は社会経験が豊富な方が多く、その成功体験からお互いに感謝すること、されることの大切さを感じていらっしゃいます。感謝、礼儀、挨拶やコミュニケーションを重んじる環境で学ばせたいと考える方が多いです。

おすずさん:納得です。では志望校選びのポイントは?

宮澤先生:それぞれですね。「社会に出る時に有利になる大学の附属に行かせたい」という考えもありますし、「うちは子どもに努力をさせて育てたい」とあえて中学受験をさせる前提で小学校を選ぶ方もいます。共学か男子校か女子校かという選択肢もあります。教育方針や校風がミスマッチにならないように選ぶことが最も重要です。

受験準備はできるだけ早く始めた方が有利

おすずさん:いろんな要素を考えて、優先順位を整理して決めた方がいいですね。いつ頃から受験準備を始めるのがよいでしょうか。

宮澤先生

宮澤先生:早いに越したことはありません。人の価値観は7歳までにほとんど決まるといわれています。良い環境で育ち、多くの経験をさせることはもちろんですが、適切なフィードバックや指導を受けることでも価値観は変わっていきます。ですから、能力的な部分はもちろん性格的にお子さんと学校がマッチするかどうかという点について、選択肢が広がります。授業中に全然手を上げなかったお子さんも、教室に通っていくうちにすぐに手を挙げて、とにかく発言したくてしょうがないぐらいに成長します。あまりにも変わりすぎて、最後には静かにしなさいと叱ったほどです。早くから通うほど授業の中で能力的にも成長できるチャンスが増えます。反対に、遅ければ成長のチャンスが減ります。

巧緻性の授業の様子
巧緻性の授業。生徒と同じ目線で指導するため対面ではなく後ろから教えています
行動観察を指導する宮澤先生
行動観察を指導している宮澤先生

おすずさん:でも、あまり幼い頃から勉強させるのはかわいそうという意見もありませんか。

宮澤先生:みなさん6歳になれば必ず小学校に通いますよね。いきなり学校で4時間の授業を座って先生の話を聞くことが始まるより、事前に準備をさせてあげた方がよいと思います。私は、常に次のステップを見据えて、準備をしておくべきだと思います。高校生は大学生活の準備。大学生は社会人になったら、どういうことが待っているのかを見据えた準備が必要です。同じように、幼児にも小学校を見据えた準備が必要ではないでしょうか? 自分で学校の準備をしたり、授業で学ぶ姿勢を身につけてから入学する。試験はその通過点だと考えています。志願者が多く、試験で選抜することができる私立小学校からすれば、入学する準備ができているか確認したいのは、当然の流れではないでしょうか。

KAKERU独自の指導「ABC理論」

おすずさん:教室によっていろんな指導方針があると思いますが、KAKERU幼児教室では、入ったばかりでまだ受験のことを何も分かっていない子を、どうやって受験まで引っ張っていくのですか。

宮澤先生:生徒の段階によって変えないといけないですね。私が考えたABC理論があります。Aはやる気があまりない段階、Bはやる気があるが理解で躓いている段階、Cは理解はしているが、その通りにできない状態です。

Aの段階の子にはやる気にさせるために、やったこと自体を見て肯定してあげる。Bの段階の子には、細かく分解したり、具体物を使ったりして説明し、考え方を教えてあげる。Cの段階では、量をこなして身に着けたり、理解を深めたりすることで成長します。算数で言うとドリル、運動で言うと反復練習がこの段階にあたります。ただし、このステップを踏むには、楽しい授業が第一条件です。

おすずさん:先ほど授業で生徒さんが、人の役に立つ妖怪を考えて、それを絵に描いて、発表するという課題に取り組んでいました。その子は汚れた川の水を綺麗にする掃除機の形をした妖怪の絵を描いたのですが、汚い方の水にはゴミが浮いていて、綺麗にした水には魚が泳いでいて、それを見て笑顔の人もいる。そんな素敵な絵を、担任の先生がスモールステップで細かく質問したりヒントを出したりしながら導いていって、あっという間に描いてしまった。その指導の仕方が本当にすごかったです。

発表をする女の子
なんとこの絵を5分で完成!その後の発表もしっかりできました

宮澤先生:慶應総合のクラスですね。KAKERUでは、お題が出たらこういう風に描きなさいといった指導はしていません。賢い子ほど納得しないと行動しないことに気が付いたからです。一人ひとり、人間として尊重して大人になって振り返っても、納得できるように導くのがKAKERUの信念です。授業では、こういう風に描きなさいと言わない代わりに、社会問題、例えばSDGsの話をします。つまり、自分のことにだけ目が行っている幼児に向けて、社会に目を向けさせ考えさせるようにします。そうすると、「魔法を使えたら何をしたいですか」や「見たことがない妖怪がいたらどんな役に立つ妖怪がいいですか?」といった課題に対して、周囲のことを考えた答えを出せるように成長していきます。

授業の中ではこうしなさいと答えを提示することはないので、毎回の授業でどんな絵を描くか私もわかりません。ただ授業を重ねるうちに、自分のことだけでなく、他者を思いやる気持ちが育っていることが絵に表れます。今までにない教育法でしたので、当初はいろいろな意見がありましたが、今では成長がみられ成果が出ていると感じています。

おすずさん:でも、本人に考えさせることが大事だという指導方針の教室もありますよね。

宮澤先生:KAKERUはどうやって考えるのかを教える教室でありたいと思っています。料理で例えると、インプットが材料でアウトプットが調理方法です。いくら調理方法を知っていても、材料がなければ料理は作れないですよね。子どもにはまず知識を与えてあげないといけないのです。

大人が設問に対して答えを導き出せるのは、人生で学んだり、教えてもらったりした知識と知識を組み合わせてアウトプットしているからです。自分で考えさせるとは、聞こえが良いかもしれませんが、教える側が仕組みを理解しどのように導くのかしっかりと計画しなければ「放置」になってしまいます。新しい教育を生み出すためには、過去の教育を否定するのではなく、先人の知識や学びの上に今の教育や社会が成り立っているのだと、感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。

宮澤先生とおすずさん

おすずさん:お子さんを成長させるコツはありますか。

宮澤先生:日々の成長や変化を見逃さないことです。大人よりもずっと速いスピードで成長していきます。今、お子さまがどの段階にいるのかを常に観察して、今の課題は何なのか、そのために何を指摘して、何を指摘しないのか。成長させるための声かけをしていくことですね。そのためにも、保護者の方と情報を共有するなど合わせることが大切ですし、フォローは手厚くします。

うちは面談を月に1回でも受け付けていますし、合格者座談会、願書の書き方セミナー、面接セミナーなど毎月のようにやっていますので、ぜひ早めに参加してください。

インタビュー前半を終えて

幼児教室の指導がいかに小学校受験に効果的であるか大納得の突撃隊。特に宮澤先生独自のABC理論には目から鱗が落ちる思いでした。わが子の中学校受験を考えているおすずさんはヒントを得ようと必死です。この後、KAKERU幼児教室の具体的な指導法に話が及びます。気になる話題は後編に続きます!

クラス紹介や合格実績の詳細は公式サイトで>>KAKERU幼児教室