中学受験、入塾テストって何を準備すればいいの?【2021年度版】(2ページ目)

入塾テスト対策って必要?

入塾テストで出鼻をくじかれることも

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入塾テストは、学校のテストと内容が異なります。学校のテストの点が良くても安心してはいけません。思った以上に点数が取れなくて、お子さま・親御さんともにショックを受けるかもしれません。また、塾によっては“落とされる”こともあります。

そういうものだと思って、点数が悪くても落ちてもあまり気にしないのが一番なのですが、うまく割り切りができないご家庭も多いことでしょう。そういうことにならないよう、少しでも対策をして臨んだ方が入塾への気持ちも高まるので、精神面でもよいでしょう。

テスト対策が必要な理由

さらに、テスト対策をした方がよい理由がもう一つあります。

入塾テストの目的にある「クラス分け」です。成績に応じて、上位から下位までの各クラスに振り分けられるものですが、中学受験ギモン解決所「入塾後、親がやるべきことは?」で、受験ドクターの春野先生はこう指摘しています。

「お子さまの『自信やプライド』を考えると、できれば上の方のクラスで好スタートを切りたいのが、保護者の方の本音ではないでしょうか。 「自分はデキる」という思い込みは、実は長い受験生活の中で、勝利のための非常に大切な要素です。子どものやる気の芽を摘まないためにも、上位クラスになるまで複数回入塾テストを受けるのも、ひとつの戦略ではあります。このあたりは、ご家庭の考え方とお子さまの性格によるでしょう。」

上位クラスでは、優秀な子ども同士が切磋琢磨するので、学力を伸ばせるというメリットもあります。
一方で、入塾後には定期的に「組み分けテスト」があり、テストの結果でクラス替えが行われ、クラスが落とされることもあります。そのプレッシャーに勝てるか、落ちたときに奮起できるか、など春野先生が言うように、お子さまの性格をふまえて考えるとよいでしょう。

どんな対策が必要?

塾にもよりますが、国語は長文問題、算数は応用問題が出題される傾向にあり、学校のテストと異なるので、戸惑うこともあります。 また、どの塾でも出題されるのは漢字の読み書き。まだ習っていない内容も出題されることもあるので、3~4年生の範囲を市販の参考書などを使って勉強しておくとよさそうです。

塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康先生は、

「入塾テストは形式もレベルも小学校のテストとは大きく異なりますから、学校で成績が良くても安心はできません。市販されている受験問題集『自由自在(小学3・4年生版)』などをやっておきましょう。問題集を解く際のポイントは、問題集に直接に答えを書き込むのではなく、ノートに書くようにすることです。加えて、計算のスピード、読むスピード、正確さを養う意識を持って取り組めるといいですよ。」
(エデュまがアーカイブ「塾や志望校のブランド・イメージにふりまわされない」より)

とアドバイスされています。

塾選びのポイントをおさらい!

子どもの勉強を見る母親

中学受験を成功に導くには、やはりお子さまに合った塾を納得するまで検討することが大切。なぜならば塾と家庭との相性が勉強へのモチベーションにも大きく影響するからです。

たとえば共働きのご家庭であれば、送り迎えや塾弁をどうするのか、プリントの管理や、家庭学習のスケジュール組みといったサポート面を夫婦でどう分担できるかなど、塾通いの生活を細かなところまでイメージして話し合うことも大切です。

西村先生は塾選びについて、「お子さまが難関校への合格実績が高い塾に入ると『これで安心だわ』と思ってしまう親御さんがいらっしゃいますが、これは大きな間違いです。通うだけで実力がつく塾などありませんし、無名の塾でも難関校に合格できるお子さまはいます。そもそも、お子さまにとって合格実績の高い塾で学ぶことが、最良の選択とは限りません。成績優秀な生徒に囲まれたとき、競争心がモチベーションとなってがんばれる子もいれば、自信を失ってしまう子もいるからです。実際に、合格実績が高い塾の下位クラスで伸び悩んでいたお子さまが、別の塾に移ったところ、相対的な塾内偏差値やクラスがあがり、やる気が出て、自信を取り戻したケースもあります」とアドバイスします。

また、教育ジャーナリストのおおたとしまささんは、「塾の1週間の学習サイクルには、その塾の考え方や方針が色濃く反映されており、それが子どもの生活、ひいては家族全体の生活に大きな影響を及ぼします。子どもは入塾したら、塾のスモールステップ=一週間の学習サイクルを取り入れた生活を余儀なくされます」と言います。(「中学受験、志望校合格に近づく塾選びのポイント!」より)

中学受験塾を「習い事の延長でなんとなく」「お友だちが通っているから」「学童終了後の預け先に」と通い始めるご家庭も多いでしょう。きっかけは家庭それぞれ。でもできることなら、念入りに調べた上で塾を選ぶことをおすすめします。