【奨学金最新事情】第2回:奨学金アドバイザーに聞く!知っておくべき給付型奨学金の利用法とは(4ページ目)

進学にあたってどのくらいの費用が必要か親子でよく話し合うこと

エデュ:民間の給付型奨学金にはどのようなものがありますか。

久米さん:日本学生支援機構の調査によると、日本には5000を超える奨学金実施団体があることが報告されています。中でも民間の公益財団が奨学金事業を創設するケースが増えており、その7割が返済不要の給付型奨学金です。

多くの民間給付型奨学金が大学を指定する中、今、注目されているのが、2018年に設立されたキーエンス財団の奨学金です。最大の特長は、特定の大学を指定せず、学部系統も指定していないこと。応募も、在籍する高校や大学を通すのではなく、財団への直接応募となっています。「卒業まで安心して学業に専念してほしい」との思いから、月額8万円が原則4年間支給されます。募集人数も多く、500名と国内最大規模の民間奨学金です。

また、イトーヨーカドー創業者の伊藤雅俊氏による伊藤謝恩育英財団も、4年間支給を基本とする返還義務のない奨学金を給付しています。大学の指定はあるものの、応募の方法がユニークで、毎年4月1日から4月30日までの間に、イトーヨーカドー各店のサービスカウンターで、「奨学生応募カード」を入手して応募するというものです。学問の分野、卒業後の進路などの制約は一切ありません。

民間の給付型奨学金は、ほかの民間奨学金との併用は不可の場合も、国の奨学金、あるいは大学独自の減免制度との併用は可能というケースが多くあります。思うより多くの団体が高等教育の資金を援助しようと準備しています。

ただし、その情報は、待っているだけでは得られません。また奨学金には応募期限もあります。まずは進学について、どのくらい費用が必要なのかも含めて親子でよく話し合い、さらにお子さんが自分の意思で未来を切り拓いていけるよう意識の切り替えを促していくことも大切です。

【参考サイト】
奨学金なるほど!相談所
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) 

【参考文献】
「ここが知りたかった109のQ&A 奨学金 借りる?借りない?見極めガイド・最新版」
(久米忠史/合同出版株式会社)

久米忠史(くめ・ただし)

奨学金アドバイザー/株式会社まなびシード代表取締役
奨学金アドバイザーとして2005年から沖縄県の高校で奨学金講演会を開始。全国で開催される進学相談会や高校・大学等での講演が年間150回を超える。「奨学金なるほど!相談所」