2020年中学入試結果分析 中堅男子校で受験者数が増加(2ページ目)

受験倍率が増えた注目の学校

算数1科入試で入試が変わる!?

今年の入試で注目すべきは、昨年に引き続き「算数1科入試」です。2020年中学受験の入試動向 男子校・女子校・共学校で取り上げた「算数1科」導入校の入試結果を見てみましょう。

巣鴨中学校と世田谷学園中学校の算数1科入試は、巣鴨が昨年の受験者476名に対し、今年701名と225名の増、世田谷学園は昨年395名に対し、今年504名と109名の増。この2校が爆発的な人気を集めています。

算数1科入試を早くから導入していた学校でも、受験者数は好調です。攻玉社中学校の受験者数は161名、高輪中学校は262名、鎌倉学園中学校は207名という結果でした。

男子校が算数1科入試をけん引していると言えますが、その影響は女子校にも及んでいます。今年初めて算数1科を導入した湘南白百合学園中学校では受験者数が140名、田園調布学園中等部は339名、富士見中学校は143名という結果でした。以前から導入している、品川女子学院中学校も241名、普連土学園も261名も受験者数を集めています。

2021年も引き続き算数1科の導入校は増えると予想されます。

中堅男子校で受験者数が増加

巣鴨、世田谷学園は一般入試でも昨年より受験者数を伸ばしています。2校は中堅男子校であり、同じ偏差値帯の学校にも同じ傾向が見られるのではないかと予測し、四谷大塚偏差値50以上59以下の中堅男子校の一般入試、第1回目の昨年と今年の受験者数を調べました。

四谷大塚偏差値50以上59以下、一般入試第一回の男子校

学校名 四谷大塚2020
合不合判定テスト
(第6回)
80偏差値
一般入試
・第1回入試日
2020年
受験者数
2019年
受験者数
増減
逗子開成 58 2/1 450 486 -36
桐朋 57 2/1 366 354 12
鎌倉学園 56 2/1 207 260 -53
攻玉社 56 2/1 出願者数
453
出願者数
383

出願者数
70

國學院久我山(男子) 50 2/1 201 164 37
59 2/1 432 500 -68
城北 56 2/1 410 341 69
巣鴨 55 2/1 391 240 151
世田谷学園 55 2/1 316 223 93
成城 50 2/1 413 370 43
高輪 50 2/1 322 262 60
明治大学付属中野 59 2/2 出願者数
1001
出願者数
1139
出願者数
-138
立教池袋 59 2/2 343 293 50
学習院 56 2/2 421 344 77
暁星 55 2/2 出願者数
258
出願者数
328
出願者数
-70
芝浦工業大学附属 52 2/1 428 331 97

インターエデュ調べ

※2020年の受験者数を公式サイトでまだ公開していない攻玉社、明治大学付属中野、暁星は出願者数を参照。

※偏差値データ参照元:四谷大塚2020合不合判定テスト(第6回)80偏差値男子1月~2/1四谷大塚2020合不合判定テスト(第6回)80偏差値男子2/2~

昨年に対し今年受験者数(出願者数)が減少した学校は、神奈川県の逗子開成、鎌倉学園、偏差値帯としては上位に位置する芝、明治大学付属中野、今年入試日程を2月3日から2月2日に変え、募集定員を75名から65名に変更した暁星です。それ以外の上記表の学校は受験者数が増加しています。増加の理由としては、男子の親により強い安全志向が働いていること、女子がいない環境でのびのびと男子を育てることができるということが、広く認知されてきたからと思われます。