オンラインでも「前向きに学びと向き合う子ども」を(3ページ目)

今は誰もが同じ条件。焦らず「自学ができる子」を育てよう

勉強する女の子

エデュ:保護者からは寄せられるお悩みとしてはどんな内容のものが一番多いですか。またお悩みに対してどんなアドバイスをされていますか?

松島先生:やはり、「今の勉強のやり方で大丈夫なのか」という話が多いです。「リアルな授業を再開してほしいけれどコロナも心配…。」そこで揺れているのを感じます。あとは、「志望校選びをどうしたらよいか」というお悩みです。

この先のことに関しては、学校もまだ再開したばかりですし、来年度の受験がどうなるかということは誰もはっきりとは言えない状況です。
それでも、なるべく学校の情報を保護者の皆さまに伝えるために、オンラインの説明会なども開催しています。今年は受験情報を例年以上に正確にしっかりとお伝えしていくので、より近い存在として塾を頼っていただきたいという想いでいます。

それと、子どもが時間通りに勉強しないとか、なかなか家庭学習が進まないときにはどういう声かけをしたらよいかとか、そういったことに関しては、これまでの経験というのは活かせます。オンラインの場でもリアルの場でも声かけのかけ方次第で子どもの心は動きますから。保護者の皆さまからお悩みを聞いてアドバイスしていくという点においては、従来通りかもしれません。

また、学校選びや入試問題の傾向に応じた対策についても、まずはこれまでと同じやり方でいいと思います。秋以降に各学校で入試要項が発表されます。その段階で必要な対策を打っていくので、それは受験生はみんな同じ条件です。決して焦る必要はありません。

今、保護者の皆さまとわたしたち塾がやるべきなのは、これまでどおりに、子どもたちの学びを前向きにしていくこと。これが一番重要なのです。親があたふたしてイライラし、落ち着かない状況というのは子どもにとっても、学ぶ環境としても良くないです。安心して学びに向かえる環境を整えることです。

実際に、現場に長くいて感じることなのですが、授業中に「先生、ぼくは自分で勉強したいので、自習の時間をください」と言うような子が最後はうまくいくんです。「私はここが苦手、ここはわかっていない。だからこれをやらなきゃ!」と思ったときが、一番学習効率が上がり、結果として表れてきます。

講師たちはプロですから勉強のアドバイスはいくらでもできますが、アドバイス以上に本人が自分は何をするべきかに気がつくことが合格への近道なんです。最短距離で行ける。だからそこを目指して行く、というのが私たちの塾のスタンスです。

「自学ができる子に育てる」。そこに保護者の方と一緒に向かっていきましょうというのがスクールFCです。

エデュ:最後に受験生の保護者の皆さまにメッセージをお願いします。

松島先生:子どもたちはどんな状況であっても、必ず成長しています。
ところが、毎日近くで見ていると、その子どもの成長が見えなかったりするんですね。ですから、ちゃんと見ているよと、認めてあげることがとても大事です。
私たちも、子どもの何気ない変化に気づいてあげることが大切な役割だと思っています。子どもたちがポジティブに日々過ごせるように、ちょっとした声かけをしながら、見守ってあげればいいんです。

これまでのように、毎日同じような状況が続いていると、ストレスが溜まりに溜まって、言いたくないけど子どもに当たってしまうということもあると思います。
親御さん自身もどこかでストレスを解消するということが大切です。
息抜きができる何かを見つけることは、子どもにとってもプラスになります。そうやって一緒に歩んでいければと思っています。

edu’s point

双方向であることを重視した、スクール FCのオンライン授業は、人との交わり、温かさを大切にしていると感じました。それはリアルであっても、オンラインであっても変わらず、これまでも大事にしてきたことなのでしょう。
さて、ますますオンラインでの受験情報の提供に力を入れるスクールFC。実際に私立中高一貫校の先生が登場し、入試問題に込めた思いや出題意図を伝える動画「2020中学入試問題を振り返る」は、塾視点からの入試振り返りが多い中、ダイレクトに私立学校の様子を知ることができる内容となっています。動画は「花まるカフェ」という学校の先生とお母さんをリアルの場で繋ぐ企画から生まれました。学校との交流を深めることで、よりお子さまに合った学校選びをしていただきたい、そんな想いも込められています。ぜひご覧になってみてください。