高校受験と中学受験の入試の違いとは?

高校受験は、中学受験と異なる部分も多く、さらに親世代の頃と比べても変わってきています。どういった点が中学受験と異なるのか、高校の入学試験や最近の高校受験事情について見ていきます。

高校受験の入学試験とは?

高校入試には、大きく分けて「一般入試」「推薦入試」があります。

公立高校の一般入試

基本的に5教科による学力検査によって合否を決めます。また公立高校は、出願時に内申書の提出が求められます。

内申書は中学校の成績や学校での生活(委員会、クラブ活動、出欠状況など)について先生がまとめた調査書です。このうち9教科(もしくは3教科)×5段階評定(評定がオール5であれば45点)で出た数値を内申点といいます。

学力検査の得点と内申書から合否が決定しますが、その比率は学校によって異なります。また内申書は、中学1年生の成績を含む地域もあれば、中学2年から、あるいは中学3年生からというところもあります。

私立高校の一般入試

私立高校の一般入試

私立高校の一般入試は英語、国語、数学の3教科の学力検査と面接のパターンが多く、試験結果によって合否が決まります。

また、公立高校を第1志望とする受験生が、公立高校に不合格となった場合、私立高校に必ず入学することを確約して加点をもらう「併願優遇」もしくは「併願確約」制度を取り入れている学校があります。

ほかにも、私立高校を第1志望校として受験し、加点など優遇してもらう「第1志望優遇措置」を設けているところもあります。受験の際は第2志望以降の高校を複数受験することもできますが、優遇措置を利用した高校に合格した際は、必ず入学しなければなりません。

これらの優遇制度を利用しない受験は「フリー受験」「オープン受験」とも呼ばれます。

公立高校の推薦入試(東京都の場合)

東京都の推薦入試には「一般推薦」「文化・スポーツ等特別推薦」があり、学力検査はありません。全員が集団討論と個人面接を受け、作文、小論文、実技検査などから 1つ以上の検査が行われます。「文化・スポーツ等特別推薦」では実技検査を実施する学校もあります。

選考は、調査書、集団討論と個人面接、作文もしくは小論文などの結果を点数化し、その合計点の高い順から合格者を決めていきます。

学力テストがなく、また一般入試より先に行われることで人気が高い上、普通科の募集人数は募集定員20%以内と人数が少ないこともあり、倍率が2倍〜4倍と高くなる傾向にあります。

※令和3年度の入試では、新型コロナ感染症対策のため、集団討論は実施されませんでした。

私立高校の推薦入試

基本的に書類選考と面接、作文での入試が多く、適性検査を行う学校も一部あります。

また推薦入試にもさまざまな種類があります。

他校を受けずにその学校に入学することを条件に、学校規定の成績を満たしていればほぼ100%合格できる「単願推薦」「併願推薦」(条件は前述した併願優遇と同じ)、高校が定める内申点基準を満たしていれば、中学校校長の推薦なしで出願できる「自己推薦」です。
さらに、文化・芸術に秀でた学生が出願できる「一芸推薦」、スポーツ分野の技能を評価する「スポーツ推薦」を設けている学校もあり、試験の際は実技試験を行う場合もあります。

このほかにも各高校が定めた基準を満たした場合に、入学費や授業料が免除となる「特待生入試」、海外経験のある生徒向けの「帰国生入試」など独自の入試制度を設けている学校もあります。

選考基準に、指定の内申点をクリアすることを条件にしている学校もあります。