千葉県公立高校の入試制度、選抜の仕組みは? 2022年入試はどうなる?

千葉県公立高校の入試科目は、他県とは異なる独自の検査があります。この記事では千葉県公立高校の一般入学者選抜にスポットをあて、2021年での入試変更点を振り返りつつ、2022年の入試や入試変更点について解説します。
※2021年12月2日に発表された情報を追記しました。

千葉県公立高校入試、選抜の仕組み

2021年に入試制度が変更!

2021年入試における変更点は、入試が1回で行われるようになったことです。2020年までは「前期選抜」「後期選抜」と受験チャンスが2回ありましたが、2021年入試より「一般入学者選抜」という名称に変更され、1回の試験となりました。

また、学校選びも柔軟にできるようになりました。今までの前期選抜では受験校の変更はできませんでしたが、2021年からは受験校の変更が可能となりました。つまり、願書提出後に各学校の倍率(応募状況)などを確認して、受験校を考え直すことができるようになったのです。

学力検査:千葉特有、国語の聞き取り検査

学力検査:千葉特有、国語の聞き取り検査

千葉県公立高校の学力検査は、全校共通の問題が出題されます。検査科目は国語、数学、英語、理科、社会の5つで英語が60分、その他4科目は50分の検査時間となっています。
学力検査でもっとも特徴的なのは、国語の聞き取り検査(リスニングテスト)があることです。難度は決して高いわけではないですが、1問目から聞き取り検査の問題が放送されるので、落ち着いて取り組めるよう対策しておくことが大切です。

また、学力検査の他に、各学校が定める「学校設定検査」(面接・集団討論・自己表現・作文・小論文・適性検査、各学校独自の検査)が1つ以上実施されます。

選抜方法:調査書では中学校3年間すべての成績を考慮

調査書(内申書)

内申点は中学校3年間すべての成績が考慮されます。9教科×5点満点×3学年分=の計135点満点評価です。この内申点に各学校が定める数値(0.5~2.0)を乗じます。
また学校によっては、調査書の「その他の記載事項」(生徒会活動や部活動、英検などの資格取得など)について、学校が定める加点(2021年より上限50点)を加えることができます。

合否の判定方法

合格者の選抜方法には「総得点による選抜」「2段階選抜」の2つの方法があります。どちらの選抜を行うかは各学校によって変わります。各校のホームページで確認できますので、志望校の選抜方法はしっかりとチェックしておきましょう。

総得点による選抜

学力検査(5教科×100点満点=500点)+調査書(内申書)で算出した点数+学校設定検査(※)の合計値で、応募した生徒の総得点が高い順に合格者を決定していきます。

※1検査10点以上100点以下。2つ以上行う場合は150点上限。専門学科において適性検査を2つ以上実施し面接も行う場合、面接の配点は50点上限。

例えば進学校として知られる県立千葉高等学校の2021年入試では、
学力検査の得点500点+調査書67.5点(評定は0.5※)+作文10点=総得点577.5点
となっています。

※評定も各校によって異なります。

2段階選抜

上位から80%の合格者を決定(選抜方法は上記総得点による選抜と同じ)した1段階目の選抜の後、2段階目の選抜として、調査書の得点、学校設定検査の得点に、各学校が定める係数を乗じた得点で再計算し、残りの20%の合格者を決定する方法です。

進学指導重点校とは?

進学指導重点校とは、千葉県教育委員会が認めた大学入試に重点をおいた指導をする学校です。主体的な学習の促進や進学指導を積極的に行っている学校として認定されました。入試は前述の通り、他の学校と変わらない方法で行われますが、偏差値の高い学校が多いため、志望する場合は高得点を狙う必要があります。

進学指導重点校と中高一貫教育重点校は下記のとおりです。

進学指導重点校(全10校) 中高一貫教育重点校(全2校)
(高校のみ記載)
千葉東 安房 千葉
船橋 佐倉 東葛飾
佐原 成東
長生 匝瑳
木更津