高校受験 大学進学から見る志望校選びのポイント

11月から12月は志望校を決定する時期になります。高校受験は中学受験と異なり、日程などの都合上、受験する学校を3~5校ほどに絞り込まなければなりません。
高校受験ともなるとお子さまが主体になって志望校を決める場合が多いと思いますが、行きたい学校がありすぎて、なかなか志望校を決められない状況にもなりがちに。そこで、志望校を絞り込むポイントの一つとして、大学付属校や指定校推薦さらに近年注目されている高大連携についてお伝えします。

大学付属校が注目される理由

大学付属校が注目される理由

大学入試を取り巻く状況は近年大きく変化しています。

2021年1月にこれまで実施されてきた「大学入試センター試験」から「大学入学共通テスト」に変わりました。2025年、今の中学3年生が大学受験する年には、新しい学習指導要領を踏まえてさらに受験教科が増えるなど再編されます。

そのため、中学受験のみならず高校受験おいても、内部推薦のある大学付属校に進学することで、変化が激しい大学受験を回避したいと考えるご家庭が増えています。

付属校・系属校とは

大学名を冠した学校名を見ると、「○○大学の付属校なんだ」というイメージがありますが、運営している学校法人の違いで、付属校、系属校に分かれます。また大学名はついていなくても大学との繋がりが深い学校もあります。

付属校

大学と同じ学校法人が運営しています。

系属校

大学と別の学校法人が運営していますが、理事や事務局長が系列大学と兼務しているなど大学との結びつきが強い学校です。例えば早稲田実業学校は早稲田の名を冠していますが系属校です。また推薦枠数は系属校で異なる場合があります。

そのほか、付属校・系属校という関係以外にも、大学と教育提携関係を結んでいる学校もあります。

内部進学率とは

付属校を志望するのであれば、把握しておきたいのは内部進学率です。

内部進学率が高い学校

学力レベルが高い学校ほど内部進学率が高い傾向にあります。
早稲田大学の付属校、早稲田大学高等学院早稲田大学本庄高等学院は、卒業生は全員早稲田大学に入学することが原則です。

また慶應義塾大学の付属校、慶應義塾高等学校慶應女子高等学校慶應義塾志木高等学校慶應義塾湘南藤沢高等部の4校も内部進学率はほぼ100%です。

併設大学以外の受験も可能な学校

GMARCHの付属校では内部進学だけでなく、他大学の受験も可能としている学校も多くあります。
たとえば中央大学附属高等学校は、中央大学への進学が90%と高い確率ですが、中央大学への推薦資格を保持したまま、他大学を受験することができる「他大学併願受験制度」があります。しかし、これには条件があり、国公立大の場合はすべての学部・学科が受験可能ですが、私立大学の場合は、中央大学にない学部・学科のみです。
また明治大学付属中野八王子高等学校には「国公立大学併願制度」があります。

半分以上の生徒が他大学へ進学する学校

大学付属校であっても、自由な進学設計がしやすい環境の学校もあります。たとえば、帝京大学高等学校東邦大学付属東邦高校國學院久我山高校成蹊高等学校などもそうした高校です。

成蹊高等学校の進学実績を見ると、成蹊大学の進学は卒業生全体の30%ほど。70%の生徒は医学部や海外の大学など、多様な進路を選択しています。また成蹊大学以外の大学からの「指定校推薦(※)」もあります。

※指定校推薦については次ページ参照

大学付属校や系属校への進学を検討している場合は、推薦資格を保持したまま、他大学を受験できるのか、併願制度についても確認しておきましょう。
また内部推薦は、希望者全員が必ず合格できるわけではありません。推薦にも合格基準があるので、普段からの勉強は必要です。

<参考>
早慶・GMARCH大学付属校、内部進学率が高い学校は?
※掲載している学校には高校募集がない学校も含まれています。

「東大・京大・難関大合格者ランキング」