【中学受験】子どもの「やる気」を引き出す親の関わり方とは?「中学受験を9割成功に導く『母親力』」オンラインセミナーレポート

中学受験生の保護者が抱えるお悩みとして、「子どもがやる気にならない」「勉強しているのに成績が伸びない」という話をよく聞きます。子どもにその自覚もないため、親ばかりが焦ってイライラしてしまうということも。
今回、そんな保護者の気持ちを少しでも軽くし、明るく前向きな気持ちで中学受験に向き合えるようにと、TESTEA(テスティー)塾長 繁田和貴先生によるオンラインセミナーを9月17日(土)に開催しました。
当日は、中学受験での親の関わり方から過去問演習に関する具体的な話まで、ポジティブに受験に向き合えるお話がもりだくさん!
その中から、セミナーに参加できなかった方にぜひ知ってもらいたい、中学受験をする上で特に重要だと感じたポイントを3つお伝えします。

中学受験で子どもへの関わり方の「正しい知識」を得ること

明るく快活な繁田先生。参加者はリラックスして視聴ができたようです。
明るく朗らかな繁田先生。参加者はリラックスして視聴ができたようです。

今回のセミナータイトルは「中学受験を9割成功に導く『母親力』」。
「母親力」という言葉から、子どもをやさしく包み込むような「見守り方」のようなことを想像した方もいるでしょう。

しかし、そういった内面的な話だけでなく、テクニカル且つ実践的な話でした。お父さまにも知っていただきたい内容です。

セミナー冒頭では、
「正しい知識や正しい関わり方を知らないでいると、せっかくお子さまの幸せを願ってはじめた中学受験が返って家族の溝を深めてしまうことになり兼ねません。『中学受験をやるのだったらいい形にしようね』というエッセンスを本日はお伝えします。」
と、繁田先生からお話がありました。

ではなぜ、正しい知識や関わり方が大事なのでしょうか。

繁田先生は、
「正しいやり方を学ばずに思い付きで行動をすると、アタリが出ることもハズレが出ることもあります。たまたま運よくアタリを選べた方は、お子さまを成績優秀に導くことができます。しかし、たまたま運悪くハズレを選び続けてしまった方は、お子さまを勉強嫌いにし、可能性を閉ざしていってしまいます。」
と説明しました。

子どもに負荷をかける中学受験だからこそ、親が正しい知識を得て関わらないと、子どもの成長の芽を摘んでしまうことにもなりかねない…。そう感じました。

子どもに適切なフィードバックをすることでやる気も成績も伸びる!

次にお伝えしたいのは、子どものやる気や成績に大きく影響する「テスト後のフィードバック」です。

テストが返ってきたとき、お子さまにどんな声掛けをしているでしょうか?

たとえば、
「国語の点数が前よりも良かったね!」
「この単元この前やったばかりのところじゃん。なんで間違えたの⁉」
と、結果について感じたことを伝えてしまう保護者は多いと思います。

しかし、それはNG!

繁田先生は、こういった声がけだと、子どもは結果だけに意識が向いてしまうとのこと。
結果ではなく「行動」を褒めたり、指摘したりすることが大切だと説明しました。

たとえば、
「国語の漢字を毎日やっていたから、点数が上がったんだね。」
「この単元、練習が足りなかったから間違えたんだね。」
と行動に着目した具体的なフィードバックをすることが大事とのことです。

そのためにも、日ごろからお子さまの学習の取り組みを観察していることが必要なのですが…。
子どもが話しかけているのに親がスマホをいじっていたり、忙しいからと生返事ばかりで子どもの方を見ていなかったりすると、子どもはどんどんやる気をなくしていくという指摘も。

子どもが、「お母さんは自分のことをちゃんと見ていてくれている」と思うことができれば、親からのフィードバックにも耳を傾けるようになりますね。

中学受験の成功は「子どもが幸せで充実した生活を送ること」。焦ってきたら原点に立ち戻って!

中学受験の成功は「子どもが幸せで充実した生活を送ること」。焦ってきたら原点に立ち戻って!

セミナーの締めくくりとして、繁田先生から参加者に向けて温かいメッセージが伝えられました。

「中学受験の成功とは何か。」
その問いに答えるものでもありました。

繁田先生がこれまでに対応された多くの面談の中で、わが子を思うがあまり焦って周りが見えなくなりかけているお母さまが大勢いらっしゃったとのこと。
そのお母さまたちに「なぜ焦るのか」「なぜ中学受験をするのか」を聞いていくと、例外なく「子どもに幸せになってもらいたいから」という答えにたどり着くとのことです。

だからこそ、
合格と引きかえに大切な何かを失うことがあっては、中学受験は成功と言えません。中学に入学してからしばらくたって、子どもが幸せで充実した生活を送っていることを実感した時に『中学受験は成功だった』と言えるのではないかと思います。
と参加者に伝えました。

合格を得られなかったら失敗と親が思えば、子どもの幸せのためにと思って始めた中学受験が「不幸なこと」になります。子どもの気持ちにも影を落とすことにもなり兼ねません。
そうならないためにも、中学受験において「子どもへの関わり方の正しい知識を得ること」が大切なのですね。

今回のセミナーに参加した方に実施したアンケートでは、「お子さまの受験・教育に役立つ部分はありましたか」の項目で、回答者の97%が「非常にあった」「あった」と回答しました。
参加者にとって、学びの多いセミナーだったと感じていただけたようです。
インターエデュでは今後も子育てや中学受験に役立つ情報をお届けしていきます。
お楽しみに!

今回のセミナー講師:繁田 和貴(はんだ かずたか)先生

個別指導塾テスティー株式会社代表。開成中・高、東大経済学部卒。小学生時代はSAPIXで3年連続1位の成績を獲得し、開成、筑駒、灘、慶應中等部に合格。開成時代は独自の勉強法で学年トップの成績を取るも、ヤンチャな遊びが高じて退学寸前に。学年一の有名人となる。東大進学後に目標を見失い回り道をした反省から「受験勉強で終わらない、一生モノの人間力を」を理念に個別指導塾テスティーを創業。生徒のモチベーションを高め、勉強法を次々改善していく高い指導力と人間的魅力で、御三家をはじめとする難関校に多数の逆転合格者を輩出、生徒・保護者から厚い信頼を得ている。コロナ禍の現在はオンライン指導にも注力しており、著書・メディア出演も多数。通称「開成番長」。