16人の教育専門家が解説。10歳までに一生ものの土台ができる「究極の子育て」(3ページ目)

親の関わり方が「キレやすい子ども」になるかどうかを左右する

反抗期だから仕方がないとは思うけれど、何かあると突然烈火のごとくキレる子どもに困っているという親御さんは意外と多いのではないでしょうか。

しかし、本項では「『キレやすさ』も三つ子の魂百まで」という副題が示すように、耳が痛いことに、「『キレやすい』子どもになってしまうかどうかは、親のかかわり方にかかっている」と明言しています。

なんと、脳内にある「ミラーニューロン」という神経細胞の働きにより、親が怒鳴っている姿を見た子どもの脳は怒鳴っている状態になってしまい、いつしか子どもは親と同じように怒鳴るようになってしまうというのです。

また、本田さんはキレやすい子どもに育ててしまう親の言葉として、以下の3つのNGワードを紹介しています。

(1)事実を確認する前に決めつける言葉
例:「あなた、〇〇したんだって?」「話、聞いてないでしょ」
(2)気持ちの代わりに「なんで?」を使う言葉
例:「なんでここを汚すの?」「どうしてそういうことをいうわけ?」
(3)ものごとを否定的に伝える言葉
例:「ルール違反!」「規則を守れないなら、もう来ないで」

いかがですか?どの言葉も口癖のように使ってしまっていると気づき、ショックを受けてしまう親御さんも少なくないでしょう。

しかし、本田さんは、キレにくい子どもに育てるための声かけの方法についても具体的に示してくれているため、「実際にやってみて、親として良くないところを直していこう」と奮起できます。

本田さんの記事に限らず、その他の記事も、親として正しくない振る舞いに気づかせてくれるのみならず、どうすれば良いかを具体的に示してくれています。

本書を1冊手元に置いておけば、親として大きく道を踏み外すことなく、子どもにとって大切な「学び」の機会を十分に与えられる親になることができるでしょう。

『究極の子育て 自己肯定感×非認知能力』

STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ 編、おおたとしまさ 監修、プレジデント社刊 1,100円+税
『究極の子育て 自己肯定感×非認知能力』

子育てにたくさんのメソッドはいらない。
「これだけは大切なこと」を突き詰めた“究極”の1冊!
2020年、時代が大きな転換期を迎えています。子どもたちがこの先行き不透明な時代を生き抜いていくためには、「自己肯定感」と「非認知能力」が大切だと多くの専門家が口を揃えます。「自己肯定感」は無条件に自分にOKを出せる感覚。「非認知能力」はやり抜く力、自制心、好奇心など、テストの点数では表せない幅広い力を指します。本書では、この2つを中心とした、一生ものの土台となる力や心を養うための子育て法を解説します。

[編]STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ
2018年2月開設。「子どもたちの“学び”に焦点を合わせ、科学的に正しいとされる、信頼できる情報のみを発信する」ことがコンセプトの教育系ウェブメディア。
「あたまを使う」「からだを動かす」「音楽をたのしむ」「芸術にふれる」「教育を考える」といったカテゴリー別に、最先端の教育情報と専門知識をわかりやすく伝え、親たちの支持を得ている。
教育学、心理学、精神医学、脳科学など分野を横断し、“これからの学び”を伝える専門家インタビューも人気。

[監修]おおたとしまさ さん
1973年生まれ、東京都出身。育児・教育ジャーナリスト。雑誌編集部を経て独立し、数々の育児・教育媒体の企画・編集に携わる。中学高校の教員免許を持っており、私立小学校での教員経験や心理カウンセラーとしての活動経験もある。現在は、育児、教育、夫婦のパートナーシップ等に関する書籍やコラム執筆、講演活動などで幅広く活躍する。
著書は『21 世紀の「女の子」の親たちへ』『21世紀の「男の子」の親たちへ』(ともに祥伝社)など60冊以上。