子どもにとって大切な「学び」とは?ヒントは「子どもは、独りじゃない」
近い将来、AIに仕事を奪われる時代が来ると言われている今、「わが子にはAI時代を生き抜けるよう、いままでとはちがう教育を受けさせ、いままでとはちがう能力やスキルを身につけさせたい」と考えている親御さんは少なくないでしょう。
しかし、おおたさんは本書の序章を「いくら時代に変化が起きても、子どもにとって大切な「学び」は変わらない」と題し、新型コロナウイルスの世界的流行下においてもたくましく生きている大人たちの姿を取り上げ、以下のように述べています。
「なーんだ。旧来の教育を受けてきた大人たちにもちゃんと、先行きの見通せない時代や正解のない世の中を生き抜く能力やスキルが身についていたということです。これまでの教育だって、ベストではなかったかもしれないけれど、けっして間違っていたわけではなかったのです。」
では、旧来の教育から受け継ぐべき、いくら時代に変化が起きても変わらない子どもにとって大切な「学び」とは一体何なのでしょうか。
おおたさんは「ビッグロックの法則」について説明した上で、「ものごとには順番がある」という教訓を示し、コミュニケーション能力や忍耐力などのペーパーテストでは測りにくい能力、すなわち「非認知能力」こそが、最初に取り入れるべきビッグロックだと訴えています。
とはいえ、できることならば、非認知能力のみならず、少しでも多くの新しい知識やスキルを身につけさせたいと考えてしまうのが親心というものでしょう。
しかし、1人が身につけられる知識やスキルは限られており、今後も生み出されていく膨大な知識やスキルをすべて身につけていくことは不可能です。
変化の激しい時代に必要な知識やスキルを不足なく身につけるためにはどうするべきかについて、おおたさんは、以下のように述べています。
「ヒント。お子さんは、独りじゃありません。」
おおたさんの言葉をひも解けば、なぜ、「非認知能力」が子どもにとって大切な学びなのかが深く腑に落ちることでしょう。