中学受験不合格のあとに残るものはある?(2ページ目)

変わってしまった同級生

私はそのような家庭環境にあったので、幸か不幸か受験に失敗したことをマイナスにとらえることはなかったのですが、同じく受験に失敗した同級生の中には、人が変わったように荒れてしまう子が何人かいました。ご両親がとても教育熱心で本人も人一倍努力をしていたことをみんなが知っていたので、私も周りの同級生たちも、遠巻きに様子を見ながら、心の中ではその子たちのことを心配していた気がします。

小学校から中学校まで一緒に過ごした同級生というのは不思議なもので、特に仲が良くなくても、あまり話をしたことがない子であっても、遠い親戚やご近所さんのような感覚で気にかけてしまうものなのですね…。

大人になってからもその感覚は変わらず(むしろさらに強くなり)、同窓会で久しぶりに会ってご家族と幸せに過ごしていたり、仕事で活躍していたりするのを聞くと、親戚のおばちゃんみたいにうれしい気持ちになります。同級生の中でも一番変化が激しく、一時は尖ったナイフのような目をしていた男の子が爽やかな笑顔で現れたときには、そこにいた同級生の多くが「元気そうでよかった」「会えてよかった」とうれしそうに声をかけていました。

同級生たちがくれたもの

現在、男の子の育児をしている私にとって、同級生(特に男の子)が紆余曲折しながら、立派に成長していった様子は『生きる育児書』として、日々子育てに役立てさせてもらっています。中学生まで一番前に並んでいた小柄な男の子が高校生になってから急に背が伸びて180㎝になったという話は、背が低くて気にしている息子に何度も聞かせています。そして何よりも子どもが成長していくまでの過程には色々なルートがあって、近道をしても遠回りしても最後にはきっとなんとかなるさ!という大らかな気持ちにさせてくれるのが、『生きる育児書』の素敵なところです。

中学受験は志望校に入学することを目的にしているので、無事に合格するのがなによりですよね。エデュナビをご覧の方の中にもお子さんの受験を前に、不合格になったらどうしようと心配している方がいらっしゃることと思います。でも、仮にうまくいかなかったとしても、努力をした子にはきっとギフトのような何かが残ると思うので、不安な気持ちを少しだけ緩めて、受験時期を笑顔で乗り切っていかれますように…。私もエデュナビのコンテンツを通して皆さんに少しでも役立つ情報がお届けできるよう、頑張っていきたいと思います。