小学生男子ママに知ってほしい!~男子中をつなぐ特集・第4弾~(2ページ目)

中2生が男子におけるターニングポイント

佼成 南井先生
入学したての男子中1生はアニメ・漫画やゲームなど少し幼さも感じてしまう話題で盛り上がっている一方、女子は芸能関係や恋愛話など、どこかOne Grade高い感度で情報をキャッチし友人との話題を膨らませていることもあるようです。この時期の男子と女子の精神的な成長は異なっているので、男子が無理をせず、自分たちの速度で興味・関心を増やし、友人や先輩・後輩とともに共通の話題に触れながら好きなことに情熱を燃やす体験も、大きな成長につながっていると実感しています。

明法 早川先生
幼さという点で言えば、今の中1生は中学受験のために塾通いをしてきたため、小学生時代に経験していないことが多いのではないかと考えています。理科専門棟の横にある池には毎年おたまじゃくしが育つのですが、決まったように中1生が採取に行く様子が見られます。

明法明法中学・高等学校で開催された夏休み恒例の受験生向け理科体験会
明法中学・高等学校で開催された夏休み恒例の受験生向け理科体験会

本郷 横尾先生
4年間連続で中1クラスの担任をして思うのは、流行している話題の移り変わりが早いということです。しかしながら、中高6年間の集団生活を通して価値観や一体感を創造できる点は男子校ならではの強みですね。

佼成 南井先生
時代とともに指導方針が教員主導の「指導型」から生徒の自主性を活かす「提案型」に変わってきました。子どもから青年への成長を促す生活指導の面からも、教員と生徒の距離感を測るうえで中学2年生が重要なタイミングではないでしょうか。先生方が考える男子の成長サイクルをお聞かせください。

佼成学園中学校の体育祭は楽しさいっぱい!
佼成学園中学校の体育祭は楽しさいっぱい!

明法 早川先生
確かに、中3生にもなればようやく周囲との距離感を理解できるようになりますね。今の生徒たちに反抗期は見られませんが、両親に対して言いたいことを我慢しているようです。良い意味で「他人」である教員が、生徒たちの言い分を客観的に受け入れているからこそ、心を開いてくれるようになるのでしょう。

明大中野 佐々木先生
本校はきちんとした挨拶から始まる礼儀正しさや登校時間・頭髪などの細かなルールの指導を徹底しています。自主性が良しとされる今の時代は、そうした基本事項を教えてくれる学校が減っているのかもしれません。早い段階で言葉遣いのような指導に力を入れている学校は、高校生の様子を見るとすぐに分かります。

明治大学付属中野中学・高等学校に隣接するグラウンドで練習に打ち込む野球部メンバー
明治大学付属中野中学・高等学校のグラウンドで練習に打ち込む中学野球部メンバー

本郷 横尾先生
中2生は環境に慣れが生じてくるのか、本校でも言葉遣いの指導には苦労しています。一方で、現在の中3生はコロナ禍によってオンライン授業が多く、入学直後のオリエンテーションですら実施できなかった学年です。より深い対人コミュニケーションに時間がかかった分、いわゆる揉め事が他学年よりも遅れてやってきた感があります。入学当初の緊張感を忘れないよう、重点的に指導してきました。

本郷中学校・高等学校で開催された中学生向けの教養講座「ゾムツールで遊ぼう」
本郷中学校・高等学校で開催された中学生向けの教養講座「ゾムツールで遊ぼう」

獨協 古池先生
私自身も現在中2生を担当していますので、先生方のお話に感銘を受けております。中学生の始まりは青年期の入口でもあり、大人よりも同年代の仲間たちから評価を得ることに、強い価値を見出す時期です。「自分を知ってもらいたい」が故に、生徒間でぶつかり合うことも多いですが、ここを乗り越えることで、高いコミュニケーション能力を身につけるとともに、揺らぐことの無い信頼関係を築くことができます。何かと口出ししたくなる時期でもありますが、我々大人側はときにサポーターに徹することで、彼らの自立心がより一層高められていくと感じています。

獨協中学校・獨協高等学校で行われた新入生歓迎会での部活動紹介
獨協中学校・獨協高等学校で行われた新入生歓迎会での部活動紹介

次回11月1日公開の「男子中をつなぐ特集・第5弾」では、各校独自のユニークな学習内容や、学校選びで参考にしたい特色などをご紹介します。お楽しみに!

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