男子校で男子が伸びる本当の訳【男子校の先生座談会・前編】(4ページ目)

「あいつすげえな!俺も頑張ろう!」素直に認め合い、無意識で高め合えるのが男子校の良さ

エデュ:男の子は徐々に成長するというよりは、あるときにぐんと成長すると言われますが、どんなときに子どもたちの成長を感じますか?

京華中高・町田先生: 環境が変わると子どもたちは大きく変わりますね。たとえば2週間の海外研修から帰ってくると「変わったな」と感じます。引っ込み思案だった子がすごく前向きになります。前に出ないと生きていけない環境にあるからです。ですから、1年留学だと完璧に変わって「価値観変わりました」となります。

高輪中高・真壁先生: 中学3年生、高校1年生が行くイギリスサマースクールは13日間あるのですが、そこではイギリスの大学の施設を借りて、いくつかの国の子どもたちが一緒に英語を習いに来ます。英語圏ではない国の子どもたちが一緒に英語を勉強しているので、英語を勉強しながらいろいろ国のことを知ることができて、いい経験となっています。

日本大学豊山高等学校・中学校 国語科教諭・広報部 上沢花子先生
日本大学豊山高等学校・中学校 国語科教諭・広報部 上沢花子先生

日大豊山中高・上沢先生: 本校のイギリスの語学留学では、大学の宿舎にみんなで泊まるのですが、支えあいながら英語を使い生活してくことが凄く勉強になるようですし、自分たちとは感覚が違うということを学んで、何事も積極的に行かないといけないということを感じ取ってすごく成長して帰ってきます。そして、そこでの体験を語りたくてしょうがないみたいな感じになり、そんな子どもがクラスに一人いるだけで、クラスの子どもたちの雰囲気も変わってくるんですよね。「そんなことを経験してきたあいつはすごいな」という尊敬が出てきて、「じゃあ俺も負けないように頑張ろう」という雰囲気になるのがとてもいいなと思います。頑張ったあいつはやっぱり格好いいとなってみんなで認めるんですよね。

京華中高・町田先生: 一人ひとりの優れた部分、いいなと思う部分を男子校って全部受け入れますよね。それでまた自分も頑張ろうと思う。男子校という男の子しかいないという環境の特徴です。

高輪中高・真壁先生: 自分もちょっと頑張ればあそこまでいけるかなとか、お互いにちょっと自分にないものが近くに見えると少し頑張れる。それをちょっと頑張って結果が見えるとまたさらに頑張れる、というのが男の子のいいところですよね。

エデュ: なるほど。どんなタイプの子でも活躍できる場や語学留学、クラスの委員会など、そういったきっかけが男の子がぐんと成長するいい機会なのでしょうね。

日大豊山中高・上沢先生: 他にも実力テストの上位の結果の張り出しも同じです。自分のクラスではあいつができる、というのがわかるので、テストの前に聞きに行ったり、教師と別に自分たちで教えあったりしている。そうすると教えている方も負けたくないしわからないとか間違えたら恥ずかしいからって自分で勉強していく。そういう機会って言わなくてもちゃんとやっているから凄いなと思います。

京華中学・高等学校 校長 町田英幸先生
京華中学・高等学校 校長 町田英幸先生

京華中高・町田先生: 共通点は前に出られるようになることですね。それをまわりが認めてくれることです。本来なら埋没しちゃうような子がそこで一目置かれていくから、それをもっと大事にしようと子どもたちは思っている。聞かれれば教えるから、教えることでできるようになる。
でも子どもたちはそれを高め合っていると思っていないですよね。結果的にはそうなっているけど、ただ教えて、いいよってそれだけ。教えたやつには負けたくない。男の子の競争心です。

高輪中高・真壁先生: そういう機会が潰されずにあるというのが男子校のいいところと思いますね。

edu’s point


男の子だけの環境だからこそ、男の子の素直さが誰かも邪魔されずに前面に出せるということ、そうした素直さ、ある意味その単純さが男の子の競争心に火をつけ、結果、無意識にお互いを高め合って伸びていくということなんですね。

こういった男子校の良さは、実際に男子校に行って直接体感してみると、より実感できるでしょう。先生のお話に出てきた男子中フェスタは、2020年6月14日(日)に日本大学豊山中学校を会場に行われます。都内男子校のほとんどが参加する大規模イベントです。男子校志望のご家庭はもちろん、男子校は選択肢にないご家庭も思春期の男の子を知る貴重な機会。ぜひ訪れてみてください。