【第2回】男女御三家ママたちに聞く!受験直前期のメンタル対策。気になる1月校受験の戦い方とは?(全4回)(3ページ目)

1月受験はメリットあり。2月の本番前に「合格体験」を得る意味

エデュ:いよいよ1月入試です。2月が本番の受験生にとって、1月校は第一ラウンドのような位置づけですね。日程の組み方や、前泊の様子、受験当日のエピソードなどをお聞かせください。

桜蔭中ママBさん:うちは2月1日が本命・桜蔭の受験日なので、1月に、埼玉の浦和明の星女子中学校(以下、明の星)と、千葉の渋谷教育学園幕張中学校(以下、渋幕)を受験しました。先に明の星の合格をいただいたので、渋幕を受けるかどうか迷ったのですが、渋幕の入試は、その場で考えさせるような毛色の異なる難問が多く、「渋幕が受かれば桜蔭はあまり落ちない」と言われることもあり、試しに受けてみることにしました。

エデュ:前の日からホテルに泊まったのですか?

桜蔭中ママBさん:はい。渋幕は、わが家からは距離があるので、ギリギリになってホテルを予約し、娘と前泊しました。渋幕の入試は昼食持参なので、ホテル内のコンビニで前日のうちに何か買っておこうと思ったら、みんな同じ考えのようで、コンビニには受験生らしき親子がいっぱい。おにぎりなどはほとんどなくなっていて、焦りましたね。でも、無事に合格をいただいたことで弾みがつき、自信をもって本命に向かうことができました。

麻布・海城ママAさん:わが家の長男は、渋幕と栄東中学校(以下、栄東)を受けました。もともと1月校は渋幕だけの予定でしたが、塾から「栄東の入試は、得点結果を教えてくれるので、模試のような気持ちで受けられます」とすすめられ、2校を受験することに。渋幕の入試では、うちもBさんと同じように、ホテルをギリギリにとったので、トイレとお風呂が一緒になった狭い部屋しか取れませんでした。おまけに、夕食にそばを食べさせたら、食べた後に本人が「俺、今まで言ってなかったけど、じつは、そばアレルギーなんだ」と言い出し、その言葉通り、夜中に何度も「おなかが痛い」とトイレに行くことに……。ほとんど眠れず、最悪の夜でしたが、メンタルからの腹痛ではなかったので、朝には復活できました。このときの経験から、少しくらい遠くても、前日は過ごし慣れた自宅にいたほうがいいと悟り、次男のときは前泊しませんでした。

広尾学園ママCさん:うちの娘も、「合否に関わらず、得点結果を教えてもらえるから、模試感覚で受けてみよう」という理由で、栄東のA日程を受けました。日本一受験者数の多い入試だと聞き、当日の朝、戦々恐々としていたら、電車内は受験生の親子で大混雑。最寄りのJR東大宮駅から学校までの徒歩の道のりも、人、人、人の大渋滞。もちろん、JR側も例年のことなので、アナウンスや張り紙などで、栄東対策をとってはいるようですが、まさに戦いだ!と実感しました。

エデュ:息子さんも栄東を受験したのですか?

広尾学園ママCさん:はい。でも、息子の場合は、栄東と系列校の埼玉栄中学校(以下、埼玉栄)をダブル出願したことで、入試会場に埼玉栄を指定され、激混みの栄東に行くことを免れました。埼玉栄はJR西大宮駅からもわりと近いし、それほど混んでおらず、ストレスをあまり感じませんでした。

エデュ:1月校受験のメリットをどう感じていますか?

広尾学園ママCさん:親も子も、心づもりができるところです。受験勉強を一生懸命がんばってきても、まだ小学生なので、本番で緊張してしまったり、力を出し切れなかったりすることがあると思います。そんなとき、1月に一つでも「合格証」を手にすることで、自信がついて、「2月はもっと頑張るぞ!」とモチベーションが上がるのではないでしょうか。本音としては、2月にどこにもご縁がなかった場合を想定し、「一度は合格体験をさせてあげたい」という切ない親心でもありますね。

まとめ

ママたちの貴重な体験談に、闘争本能がかき立てられたり、思わず吹き出したり、目頭が熱くなったり……。中学受験は、子ども一人一人の成長ドラマであり、家族のチームワークによる賜物なのだと実感しました。

では、今回の座談会のポイントをおさらいしましょう。

  • 直前期に、子どものメンタルが不安定になったら、①塾の先生に相談する、②新しいことをせず、いつもの生活サイクルを維持する、③「これを持っていれば大丈夫!」と安心できるお守りをもたせる…などが有効。親のメンタルケアには、まず、わが子を信じること。そして、神社巡りで気分転換しながらの神頼みがおすすめ。
  • この時期の家族は、まさに「ONE TEAM」(ちと古い…?)。一つの目標に向かって、家族みんなが、自分にできることを教えたり、褒めたり、励ましたり、競い合ったりすることで、最後の最後に力をグッと伸ばすことができる。
  • 2月入試が本命の場合、1月受験はメリット多し。入試独特の雰囲気を体感する練習になるし、学校によっては得点結果を教えてくれることも。1月中に一つでも「合格」を得ることで、本番への自信につなげる。

ちなみに、わが家では3つの1月校を受験。当時、娘がもっとも注目したのは、試験そのものより、入試の運営や進行を手伝っている、中学生スタッフの存在です。「トイレの場所を聞いたら、笑顔で連れて行ってくれて、すごく優しかった!」「試験がんばってね、って手を振ってくれた!」と、嬉しそうに話していました。そう、入試当日は、ボランティアとして参加する在校生たちの姿を観察することもおすすめ。「あんなカッコいい中学生になりたい」という思いは、きっと本人のやる気アップにつながりますよ。

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