先輩から後輩へ受け継がれる「三敬主義」の校風
エデュ:共学となってから校風に変化はあったのでしょうか?
菱山先生:校風はさほど変わらず、意外と「バンカラ気質」が残っています。
あと、明るく元気な子、前向きな子が多いですね。それぞれが、その人の持つ個性を認め合って生活しているのも良い点だと思います。さまざまな特色を持つ生徒たちが、お互いに認め合って生活している学校です。
これは、本校の掲げる「三敬主義」によるものだと思います。「他を敬し、己を敬し、事物を敬す」ということが、生徒の中に行き渡っている証ではないでしょうか。
月1回行われる全校朝礼で校長が話をするだけではなく、ホームルーム内で担任からの道徳的な指導や、クラブ活動でのチームワークを作る上でも「三敬主義」というのは繰り返し語られています。
さらに、先輩から後輩に受け継がれているのも大きいでしょう。1歳や2歳年上、あるいは大学生位の先輩が来ると、生徒達は本当に真面目に話を聞いてくれます。
エデュ:先生よりも、身近な先輩の話の方が心に響くこともありますよね。
菱山先生:そうですね。「伝統」というものは何か形がある訳ではなく、先輩からの口伝えや、あるいは先輩の背中を見て育つとか、そんな形で続いていくんでしょうね。先輩から後輩に気質として受け継がれるような「無言のメッセージ」も、本校の誇るべき伝統の1つと言えるのかもしれません。
Edu’s point
「自分の居場所が必ず見つかる」とおっしゃる菱山先生。多彩なお子さんの活躍のフィールドが広がっているだけではなく、「三敬主義」の下にそれぞれを尊重する環境が受け継がれているのでしょう。
歴史と伝統が息づく本校での学びは、成長著しいお子さんの学力だけではなく人間力をも育くんでいくのだと感じました。
第2回では、早稲田実業が力を入れる「国際交流」、バリエーション豊かな海外留学や研修についてお伝えします。