【第4回】男女御三家ママたちが語る! 受験終了後の2大お悩み「進学先をママ友にどう伝える?」「中学入学までにしておきたい勉強って?」(全4回)(3ページ目)

これから中学受験を志すご家庭へ。模試や偏差値に振り回されず、学習の「質」や「プロセス」に目を向けて。

エデュ:では最後に、これから中学受験を目指すご家庭へ、中受ママの先輩として、これだけは伝えておきたいというメッセージをお願いします。

広尾学園ママCさん:本格的に受験をスタートすると、まだ遊び盛りの小学生なのに、こんな過酷な世界に足を踏み入れてよかったのか、親として心が折れそうになることもあります。でも、実際にわが子が入試に合格して、いきいきと学校に通う姿を見ると、親子で受験に取り組んで、この環境を手に入れたことは、大きな意味があった、受験してよかった、と実感します。まずは通っている塾の先生を信頼し、そしてわが子を信じて、健康に留意しながら本番の日を迎えてください。合格した学校が、一番ご縁のあるところだと思います。

麻布・海城ママAさん:そうですね、次男がいま通っている学校は、第一志望ではなかったけれど、とても居心地がよさそうで、友達もたくさんできて、毎日楽しそうにしています。合格した学校が縁のある学校というのは、本当にその通りだと思います。また、うちのように兄弟がいるご家庭にお願いしたいのは、兄弟同士を絶対に比べないことです。一人ひとり性格や個性も違えば、学力の質、学習の進め方、興味の方向性なども違います。わが家では、「長男と次男を絶対に比較しない」ということを夫と事前に確認し合って、受験に臨みました。できれば、同じ学校を受験せず、兄弟で別の学校に進学するほうが、それぞれの個性を伸ばしやすいと思います。

桜蔭中ママBさん:わが家は当初、進学先の希望が私と娘で違っていたのですが、最終的には、娘の思いを尊重し、彼女が「行きたい」と考える学校を第一志望にして受験に臨みました。自分自身で選んだ学校だからこそ、受け身でなく、主体的な学習ができたと思っています。いま、娘はこの学校に、片道1時間15分かけて通っています。一人で電車を乗り継いで登校し、学校が終わると塾に行って勉強する姿に、精神的にも体力的にもずいぶんたくましくなったなぁと感じます。受験の真っただ中にいると、子どもよりもママやパパのほうが動揺したり、落ち込んだりしてしまうことがありますよね。私の場合もそうでした。今考えると、一回の模試の結果なんて、全然大したことじゃありません。これから受験を目指すみなさんには、テストの点数や偏差値にあまり振り回されず、どーんと構えて、お子さんのがんばりと成長を見守ってほしいと思います。

まとめ

受験の直前期~終了後をテーマに、4回に渡ってお送りした先輩ママたちの本音トーク。記事の執筆を担当した私も改めて、中学受験は、家族で同じ目標を共有し、お互いに成長しながら気持ちを一つにしていく貴重な時間なのだと実感しました。

では、今回のポイントをおさらいしましょう。

1.長かった受験生活をねぎらいつつ、春休みには、中学入学に向けて、少しずつ気持ちを切り替えていくのがおすすめ。英語に親しんだり、春期講習に通ったり、それぞれの家庭にあった方法でモチベーションを高めよう。


2.友達の進学先は気になるけれど、どこにもご縁のなかった子やご家族の心情を考慮し、ママ友との情報交換は慎重に。基本姿勢は「聞かず、語らず」。それでも、塾の祝賀会や合格者名の貼り出し、子どもからの情報、クラスの同窓会などで、少しずつ周りの状況がわかってくる。


3.これから受験を目指すご家庭は、模試の結果や偏差値にあまり振り回されず、塾の先生とわが子を信頼し、大きな気持ちでサポートしよう。合格した学校が、もっともご縁のある学校であることを忘れずに。

わが家の受験が終わったとき、私が強烈に感じたのは「子どものポテンシャルは計り知れない」という、尊敬の念でした。小さくて、幼くて、頼りなくて、まだまだママがいないと何もできないと思いこんでいたわが子が、受験という大きな山を登っているうちに、いつの間にか自分の頭で考え、解を導き、道を見つけ、歩き出していたのです。今回登場したママたちの言葉にもあったように、「わが子を一人の人間として尊重し、信じること」。それが、「わが家は、受験をしてよかった」と心から思える中学受験にするために、もっとも大切なことだと思います。

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