現役合格率で比較する全国進学校の合格実績
インターエデュの東大合格者数ランキングは、現役生と既卒生の数を合算した「合格者数順」と、卒業生数に占める現役合格率の割合をもとにした「現役合格率順」に分かれています。当記事の作成時点(3月16日)は残念ながら筑波大学附属駒場中・高等学校の合格者数が発表されていませんが、最も注目を集める「合格者数順」ランキングの結果は以下のようになりました。
現役生・既卒生を合計した東大合格者ランキングTOP20
東大合格者数順で見れば、当然のように開成が1位となり、西の横綱とも呼ばれる灘、神奈川トップ校の地位を確立した聖光学院と続いていきます。もはや見慣れた感のあるランキング常連校ですが、学力を測る指標のひとつとして、2022年度(昨年度)と比較した現役合格者数に着目すると、俄然見え方が変わってきます。
プラス14名の合格者数でランクアップを果たした麻布、おなじくプラス14名の駒場東邦、プラス11名の浅野と続き、2020年頃から急激に実績を伸ばしてきた兵庫県の甲陽学院によるプラス17名といった躍進にも大注目です。
一方で、たとえ現役合格を逃しても東大合格を諦めない生徒を育てる学風や指導・バックアップ体制のある学校が、残念な結果に終わった後の翌年に既卒生の合格者数を合算し、ランク上位に跳ね上がるという傾向があります。
現役合格率による東大合格者ランキングTOP20
こちらは東大現役合格率をランキング形式で表したものです。合格者数順では3位だった聖光学院が最も高い現役合格率を誇っています。男子校が上位を独占するかと思いきや、女子校として桜蔭が輝かしい存在感を主張しています。同じ系列校であり合格者数が多い渋幕を、現役合格率で上回る渋渋の健闘も目につきます。関東首都圏が多数を占める上位層に食い込む形で、福岡県の共学校である久留米大附設が後に続きます。そこに先述した甲陽学院や、都立校として手堅い人気の都立小石川が加わりますが、続いて男子御三家の一角として知られる武蔵がようやく登場したという形になっています。
単純に東大合格者数を並べるだけでなく、データの裏にある要素に目を配ることができれば、「今後人気が上昇する学校」といった中高の受験トレンドや、「東大よりもハーバード」のような進学先の多様化までも先読みすることが可能かもしれません。