女子校の集団力・共感力が社会を変える力に(2ページ目)

日本の閉塞感を打破する可能性が女子校にある!

日本の閉塞感を打破する可能性が女子校にある!

インターエデュ: 東大へ行く女の子が増えて、従来の価値観を超えて自分らしい人生を歩んでいける女性が増えると、社会も変わっていくのではという期待が持てますね。ですが、「ジェンダーギャップ」一つにとっても、著書にあるように、社会的課題はいろいろなことが複雑に絡み合っていて、簡単には変えられないところまできているのではないでしょうか。

おおたさん: 最近私は「社会の変え方を変えていかなければならない」とよく言っています。現代は、おれが変えてやる、というようなマッチョなリーダーシップで一気に変えられるような、単純な社会ではなくなってきています。スクラップ&ビルドではなく、今あるものをじわじわと根気よく変えていく変え方です。1点突破のようなやり方ではなく、複雑怪奇な「曼荼羅」のなかで、少しずつ模様を変えていくような、“社会の変え方”になっていかなければいけないと思っているんですよね。

そのためには、トップダウンの命令系統ではない、横のつながりで少しずつ変えていくリーダーシップが必要になります。みんなで共感しながら少しずつ変わっていくみたいな。そういう価値観で社会を変えていくのは、まさに女性が得意とするところです。女性の集団力・共感力をのびのびと育む環境として、女子校が見直されてほしいですね。

さらに、女の子が従来の価値観の枠を飛び越えていく環境として女子校は優れています。従来の社会の常識にとらわれないで社会を変えていくきっかけは、女子校から生まれやすいのかなと。日本の閉塞感を打破する可能性が女子校にあるかもしれないと思っています。

取材を終えて

女子校の運動会に象徴される、女の子の集団力や共感力が、社会を変える力になる。話の展開の面白さもさることながら、社会を変えるには、集団としての女性の力が必要という考え方に強く共感しました。女子校の役割に大いに期待したいと思います。
東大へ行きたい女の子が、リスクなく東大を目指せるような、すべての女の子が自分らしい生き方ができるような社会を、大人は作っていきたいですね。

■前回の記事
女子校という環境が、女の子の人生を大きく変えていく!

おおたとしまささん

おおたとしまささん

教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。麻布中学・高校卒業、東京外国語大学英米語学科中退、上智大学英語学科卒業。株式会社リクルートから独立後、数々の育児誌・教育誌の編集にかかわる。教育や育児の現場を丹念に取材し、斬新な切り口で考察する筆致に定評がある。心理カウンセラーの資格、中高の教員免許を持ち、私立小学校での教員経験もある。著書は『名門校とは何か?』(朝日新書)、『ルポ塾歴社会』(幻冬舎新書)、『追いつめる親』(毎日新聞出版)など50冊以上。