「個性を生かして仕事をする」大人に育てるために小学校最後の3年間でできることとは?(5ページ目)

「個性を生かして仕事をする」大人に育てるのが目標

子育ての目標とは何か、真剣に考えたことはあるでしょうか。

おそらく「良い大学を卒業させること」「良い職業に就かせること」などなど、さまざまな答えが挙がるかと思いますが、中根先生は「個性を生かして仕事をする」大人に育てることこそが子育ての目標と断言しています。

この目標を達成するためには、「子どもが小さいうちから、学校の勉強はひととおり人並みにやることを前提としたうえで、できるだけ人と違ったものを持つことがこれからは必要なのだということを、折に触れて話しておくこと」が大切だと言います。

そして、親が積極的に新しいことに挑戦する姿を見せ、手本となるべきだと中根先生は主張しています。

ただし、子どもには子どもの人生があり、子どもは必ずしも親の模倣のような生き方をしたいと思っているわけではない、ということもあわせておさえておいてほしいとのことです。

本書で紹介されたアドバイスを一つひとつ噛みしめ、小学校最後の3年間、子どもは子どもの人生を歩むことを尊重し、親は親で自分の人生を謳歌することを心がければ、レールの無い先行き不透明な道のりを歩むとしても、子どもの将来は必ず明るいものとなることでしょう。

『小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと』

中根克明著 すばる舎 1,400円+税

高学年こそ、親の関わりが最重要。
遊びに勉強に、たくさん付き合って
親子の絆を固くしましょう!

・「相談役」になりつつ、しつけには厳しく
・高学年も家庭での自学自習で大丈夫
・ゲームは禁止せず、時間を決める
・今こそ自然や生き物に触れる機会を
・いじめや不登校にはこう対処…

10代の入り口でどの子も成長する!

中根 克明(なかね かつあき)さん
1952年生まれ。千葉大学卒。25歳のとき、マスコミ志望の大学生を対象にした作文教室を開く。1981年、作文教室の草分け的存在である「言葉の森」を横浜で開講。通信教育を始める。
小学生から大学受験生まで、1万3000人が学んだ。卒業生には東大・京大・早稲田大・慶應大など難関大、難関中・高に進んだ生徒多数。教育熱心な親の間で注目を集めている。 毎月の作文の添削だけでなく、国語力の土台である読書読解教育にも力を入れる。自宅でできるオンライン教育として、少人数の交流を生かした、作文読解クラス、創造発表クラス、自主学習クラスも開催している。夏には那須の合宿所でサマーキャンプを開催。著書に『小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」』(すばる舎)、『小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本』(かんき出版)がある。