百人一首の暗記を拒否する中1理系男子。やる気を起こさせるには?(3ページ目)

覚えておくと意外と役立つことも…

「百人一首をめぐる会話が仕事につながった!」という方も。子ども時代にはつまらなく思えることでも、長い目で見ると無駄などないのかもしれません。

「昔、営業職で働いていた頃の話です。
取引先の社長:正月といえば百人一首だなぁ。『…昔はものを思はざりけり』の上の句は何だっけ?
私  :確か『逢ひみての 後の心に くらぶれば』ではないでしょうか?
これで、○千万円を受注しました。
百人一首のおかげで、長いおつきあい(仕事上)になり、その後、私は専業主婦になりましたが、今は主人の会社を応援して下さっています。どんなことでも役立つものです。」

「村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にはこう書いてあります。
『役に立つかどうかなんてわからない。でも、将来必要でないと判明したときに捨てるほうが、必要だと判明したときに学び始めるより、はるかに楽だ。』
百人一首なんて全部一夜漬けだったからちっとも覚えていませんが、『ちりとてちん』(2007年放送のNHK朝ドラ)で落語『崇徳院』が出てきたときに、ふか〜く日本の文化に根付いたステキな歌だと知りました。
『せをはやみ いわにせかるる たきがわの われてもすえに あわむとぞおもふ』
これだけは一生忘れないわ…..たぶん」

「暗記で嫌いになっては元も子もない、という意見もありますが、私は嫌いになってでも暗記はしたほうがいい、と思っています。
百人一首のみならず、方丈記や平家物語、徒然草、枕草子など、古典は無理やりでも覚えられる限り覚えた方は幸せです。
長い人生、いつかきっと、昔覚えた古典の一節が、『ああ、こういうことだったのか』とストンと胸に落ちる瞬間があるはず。
こういう経験もまた、人生を豊かにしてくれるものだと思いますよ。
若い頃、無理にでも覚えさせられた古典は、その人の宝だと思います。」

苦しい勉強ではなく、家族で百人一首を楽しむ

ラムさんからは「中学受験を経て息子さんは単元・定期テストのためだけに勉強しているが、これからは家族で百人一首を楽しみたい」という返事がありました。

将来きっと役に立つから今のうちに覚えておきなさい、と言われても、興味のないことは覚えづらいですよね。
まずは、お子さんにとって少しでも身近なものになるように、家族みんなで百人一首を楽しみ、昔の人の心に思いをはせるところから始めてみるのもいいかもしれませんね。

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(イラスト:seisho)