ドラえもんと一緒に「数」に親しみ算数センスを育てよう(2ページ目)

どこが面白かったか聞いてみよう

どこが面白かったか聞いてみよう

本書を購入したら、できればお子さまに渡す前にご自身で読んでみてください。大人にとっても知的好奇心をかきたてる内容ですし、ご自身の好きなジャンル・苦手な分野がわかって、「やっぱりね」といった気分になるでしょう。その結果を、後でお子さまの感想と比べてみると、よりよいサポートができるのではないでしょうか。

お子さまには、「読みなさい」などと言わないで、あくまでもプレゼントとして渡してあげて、どんなふうにこの本に接するかじっと待ってみてください。何度か目を通したことがわかったら、さりげなく感想を聞いてみましょう。どこが面白かった?と。

正直、難解な解説もあるので、最初はドラえもんのまんがしか読まないよ、という子もいるでしょう。でも、ほかのページをパパやママが見ていたと思えば、そのうちに関心を持つようになるかもしれません。反対に小学校レベルをはるかに超えたテーマを、なんとか理解しようとがんばる子もいるでしょう。そんなときは、親子一緒に格闘してみてください。また、古代の哲学者など歴史的な知識のほうに関心が向く子もいれば、美しさの法則に心引かれる子もいるでしょう。

このように勉強とは違うかたちで「数」に親しむことで、いつもの学習では知り得なかったお子さまの関心や秘められた適性を発見できるのではないかと思うのです。

さらに、本書のまんがページには欄外に「数の世界 Q&A」があり、右ページに問題、左ページにその答えがのっています。数にまつわる文章と図解ページにはあまり関心を示さないお子さまでも、そんなQ&Aから数の知識を得ることができます。

面白さが算数センスを磨いていく

本書の「はじめに」にある、監修者の黒澤俊二先生から読者の子どもたちへのメッセージの一部を抜粋してご紹介します。

この「おもしろいぞ! 数の世界」は、これからのデジタル社会を生きる子どもたちにとって、大いに役立つ本です。「おもしろい」とは、見えにくい仮の「面」を打ち破り、白くはっきりしていく「面白さ」です。この本で段々楽しく明白になるのが「数理(すうり)」です。数の世界の「きまり」(「理(ことわり)」)です。ぜひこの本で数の世界にひそむ数理の面白さを味わってみてください。それによって、必ず「デジタル」化へのヒントとそのヒントを生み出す知識を得ることができます。「数」とそこにかくれている「数理」を楽しみましょう。

このような黒澤先生のメッセージで、やる気になっちゃう少年・少女が出てきそうな気がします。そしてそんな中から、将来の天才数学者も誕生するのかもしれません。

ドラえもん探究ワールド おもしろいぞ! 数の世界

まんが/藤子・F・不二雄、監修/黒澤俊二(立教大学文学部教育学科特任教授)、小学館刊、935円(税込み)

『ドラえもん探究ワールド おもしろいぞ! 数の世界』

コンピュータを生んだ数の世界を一望しよう。
ふだん便利に使っている数。実は、人類最大の発明品といってもいいくらい画期的なものなんです。あって当たり前に感じている数ですが、なかったらどんなに不便で生活が成り立たないことでしょうか? 時計ももちろんないし、クラスの人数を数えたりすることもできません。ましてやスマホやパソコンもありません。そんなとても重要な数の世界を、数がなかった時代から数の誕生、コンピュータの発明まで、おどろきのトピックを連ねて紹介します。ふしぎな数を知って、算数を好きになろう!

<本の内容>●10の何倍? 無量大数って?●1:1.6 黄金比って何?●太陽でピラミッドの高さが測れる?●2,3,5,7……素数って何?●マツボックリの中にも? フィボナッチ数列って?●円周率は続くよ、どこまでも?●問題を奉納? 和算って何?……などなど、数の世界のひみつがいっぱい!

<編集者からのおすすめ情報>デジタルとは、数に置き換えるという意味。監修の黒澤俊二先生によれば、デジタル時代に数の世界の考え方を知るのは、もっともっと大切になるとのこと。この本で楽しみながら数に親しんでください。数に関するまんが13作品も収録しました。(小学館本書紹介ページより)