【小6秋】日能研以外の模試を受けるメリットは?

中学受験に向けて、たくさんの塾や団体が模試を行っています。お子さまの力試しとして、複数の塾の模試を受けるのが良いのか悩みますよね。教育家の小川大介先生は、お子さまの状況と時期に合わせた見極めが必要だとアドバイスをくださいました。

【お悩み】ほかの塾の模試を受けるメリットは?

小学6年生女子のお母さまのお悩み

現在、日能研に通っています。
四谷大塚の合不合判定テストなど、ほかの模試も受けたほうがよいでしょうか。

1つの模試の結果に沿って判断した方が、心が安定するような気もしますが、受験生全体を考えると、事前になるべく現状を把握したほうがいいのかな?という気もします。
先生の考えるそれぞれのメリットと、デメリットもあるようでしたら教えてください。

現状に合わせて決めましょう【小川先生のアドバイス】

他塾模試も受けたほうが良いかと悩むお母さまからの相談に、教育家の小川大介先生が回答します!

過去問の状況や模試の偏差値に応じて判断しましょう

過去問の状況や模試の偏差値に応じて判断しましょう

首都圏で受験する場合の一般論として、四谷大塚の合不合判定テストなど、他塾模試を受けることはおすすめです。ただ、ご相談のタイミングが小6の秋から冬ということを考えると、日能研以外の模試を受けることで、「目先の指標」を変えてしまうリスクがあるかもしれません。現在の過去問の点数や模試の偏差値に合わせて判断しましょう。

受験校の過去問の点はとれているが、日能研の模試の偏差値がふるわない場合

日能研模試との相性の問題があるかもしれません。他塾模試を受けて、現在の力を確認するのはよいと思います。過去問で現れている力は信頼してよいという安心材料になります。

受験校の過去問の点数も、日能研の模試の偏差値もとれている場合

あえて他塾模試を受ける必要はないと思います。受験校に向けた仕上げをしていきましょう。

他塾模試を受けるときの注意点

他塾模試を受ける場合、予行練習は必ず行ってください。模試の問題を手に入れて、文章量や印刷の雰囲気など、問題の「形」に慣らしてから受けるようにしましょう。子どもは、文字の書体が違う、余白の使い方が違う、問題の並べ方が違うなど、問題の形が気になるものです。

たとえば、日能研は冊子形式で問題を出しますよね。国語は行間を広く取りページ量が多いと思います。一方、四谷大塚の場合、上下2段組で印刷されてページ数が少なくなります。そういった問題の形に惑わされて点数がとりきれないと、ショックを受けてしまいます。本末転倒ですね。
中学受験において、秋から冬は大切な時期です。ぶっつけ本番で実力を見るといった無防備な模試の受け方はしないよう、注意してください。

小川 大介(おがわ だいすけ)先生

小川 大介(おがわ だいす)先生

教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、YouTubeチャンネル『小川大介の「見守る子育て研究所」』も公開中。