偏差値で無理な学校を息子は「大丈夫、受かる」と楽観的。心配でなりません

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.13

Q.偏差値で無理な学校を息子は「大丈夫、受かる」と楽観的。心配でなりません

6年男子の母です。中学受験を目指して、できる限りのことをしてきたつもりですが、今、志望校のことで悩んでいます。

うちの子がずっと行きたいと言ってきた学校は、偏差値ではとても合格できません。息子ももちろん模試の結果はわかっていますが、大丈夫、受けたら受かると笑って言います。

私は確実に受かりそうなところを併願するように言いまして、どこがいい?と聞いても、その学校以外には関心がないようで、どこでもいいよというだけです。必ず受かると信じて受けて落ちたらどうなるの? と思うと心配です。 主人は、受かると信じていても落ちることはある、というのもいい経験だと言って取り合ってくれません。それに第二志望や滑り止めの学校は私なりには考えているのですが、本人が関心がないのに受けさせていいのでしょうか。

いつも明るくていいわねと言われる子で、テストの点が悪くてもあまり気にせず、私には、次はいい点取ると明るく言います。塾の先生も、本気で勉強するともっと上がると言ってくれているようですが、その言葉もあまり効き目はないようです。

私も以前はいろいろと言っていたのですが、主人にこれ以上くどくど言うと逆によくない、本人に任せろと言われました。

でも、このままでいいのでしょうか。このままだと結局本人がショックを受けて悲しむだけではないのかと思い、どうしたらいいのか、何かいい方法はないのかといつも考えてしまいます。おおた先生、本当にこのままでいいのでしょうか、アドバイスをお願いいたします。(けいちゃん)

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A.息子さんの気持ちを尊重しつつ、「模試だと思って受けて」と抑え校を軽く提案してみましょう

とても楽観的な息子さんということですね。 他人から見れば頼もしいのですが、お母さまからしてみれば、ハラハラして見ていられないという感じでしょう。 現実がなかなか理解できないというのは、男の子に共通のことかもしれませんね。

ただし、第一志望に対してそれだけ強い思いをもっていることは最大の武器です。合格確率をひっくりかえし合格してしまう子どもに共通しているのは、「絶対に受かるんだ」という強い意志だと多くの受験関係者が口をそろえます。 徹底的に過去問を解き、第一志望の入試との相性を高めれば、逆転はあり得ます。 しかも男の子。 12月、1月でも伸びるのはひょっとして息子さんのようなタイプの男の子かもしれません。

とはいえ、リスク回避は最大限にしておきたいもの。 本人が頑固一徹一直線なら、それはそれで尊重しつつ、お母さまのほうで、念のための抑え校をいくつかピックアップして、「模試だと思って受けてみて」と軽く提案してみたらいかがでしょうか。

この時期、早くも入試本番のプレッシャーを感じて、萎縮してしまう子どももいるはず。 それなのに、おおらかな気持ちでいられる息子さんは、それだけでたいしたものです。 せっかくものすごく前向きになっている息子さんの気持ちに水を差すのはもったいないですから、たしかにあまりぐだぐだ言わないほうがいいでしょう。

ただ見守るというのは親として大変つらいことです。 でも、どのみち最後は、親はただ見守るしかできません。 子育てってそういうものだと思います。 子どもの学力だけでなく、親の肝力も、中学受験では試されているのです。

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