塾に通わなければ受からないって本当ですか? 目標は御三家なのですが

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.20

Q.塾に通わなければ受からないって本当ですか? 目標は御三家なのですが

中学受験は、塾に通わなければ受からないように言われていますが、ほんとうにそうなのでしょうか?

夫は中学受験で御三家に入学し、その後有名私大に行って会計士をしています。うちの子は小学校受験はうまくいきませんでしたが、夫も私も、時間には余裕があるので、中学受験は自分たちで教えてやろうと話し合ってきました。

ただ、あまりにどこを見ても口コミでも塾に通うのが当然という感じなので、少し気になっております。息子は御三家かそれと同等の中学を受けさせたいと考えております。おおたさんのご意見をお聞かせください。(ちゃこ)

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A.塾に行ったほうが「いい中学受験」 になりやすいと言われているのです。受験の目的を考えて判断してください

一般に言われているのは、「塾に通わなければ受からない」ということではありません。塾に行ったほうが、親にとっても子供にとっても結局「いい中学受験」になりやすいということです。

「親の頭が良ければ子どもに教えられる」という単純なものではありません。その子の性格、そのときの状態、目標とのギャップなどを考慮に入れ、たくさんの経験値を元に、そのときそのときに適切な関わり方、教え方をすることで、学力だけでなく精神面での成長を促すのが塾の役割です。

また塾は、子どもにとっては、他の子どもたちと一緒に競い合い、励まし合い、目標に向かって進む場所です。前思春期にさしかかる時期ですから、ときには親に反発したくなることもあります。そんなときには、塾の先生がいい相談相手になることもあります。

塾の役割の中には、間接的ではありますが、保護者の精神面での成長、心の安定をサポートするという機能もあります。その意味で、プロの塾の先生たちでさえ「自分の子どもを教えるのは無理」と口をそろえます。客観的に適切な距離を保つことが難しいからです。

中学受験は「受かる」「受からない」だけの問題ではありません。子どもの成長に、そして親子関係の成長に、どういう影響をもたらすのか。そこまでを考慮したうえでも、本当にご両親だけでやっていけるという自信があれば、それが本当にお子さんのためになるという自信があるのであれば、その選択を私個人としては否定しません。

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