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Q

自ら受験を希望しながらも反抗期の娘。 算数が苦手で、ダラダラ過ごしています

2015年06月25日

中学受験を希望し塾に行きたいと言って通塾している、反抗期を迎えた娘(小6)の事で悩んでいます。

娘は算数に苦労していて、家庭学習が全く進まず、ダラダラ過ごしています。やり始めても間違えると、「もうできない、わからない」とすぐに匙を投げます。基本問題から再度やるように促しても嫌だの一点張り。算数を一度切り上げ他の教科をやるよう促しても、ヘソを曲げて決してやりません。塾のクラスが落ちると嫌がるわりに大した努力もせず、志望校を変えたら良いと言います。

中学受験を辞めようと言えば恐らくあっさり辞めると思い、楽な選択肢を与える事になるのだと思っています。

反抗期も重なり、無理やり勉強させても身につかないと思い放っておいてますが、放っておいて間に合わなくなるのは何月頃なのでしょうか?

塾の先生にも相談していますが、やる気はある時期になれば皆出てきます…と言われました。(悩み中ママ)

A

自立心が芽生えた子どもほど親の圧力に
敏感です。初心に返って娘さんの気持ち
を受けとめてみてはいかがでしょう?


これはいろいろと大変ですね。いろいろな糸がこんがらがってしまっているように見えます。長くなりますが、ひとつひとついきましょう。まず、反抗期になることは、子供の成長ですから、本来喜ばしいことです。反抗期だと思って対処してあげるしかありませんね。大人の側が同じ土俵に乗ってしまわないように気をつけましょう。

算数に苦労していて、間違えると「もうできない、わからない」とさじを投げてしまうというのは、それだけ間違えるのが怖いということですね。常に正解しなければいけないというプレッシャーが強すぎるのかもしれません。そういうときに、基本問題まで立ち返りやり直すというのはいいですね。でも娘さんはそれも嫌がる・・・・・・。

親子の間でどんな会話があったのかわかりませんが、何かがかみ合っていませんね。これは私の想像でしかありませんが、もしかして、お母さまは、なんとかして娘さんを思い通りにコントロールしようと思っていませんか? それは親としては、特に中学受験勉強をしていると、いたしかたないことなのですが、同時にそれは、反抗期の子供がもっとも嫌うことです。自立心が芽生えてきているしっかりした子供ほど、親からの圧力には敏感に反応します。

「中学受験を辞めようと言えば恐らくあっさり辞めると思い、楽な選択肢を与える事になる」と書かれていらっしゃいますが、本当でしょうか。間違えることを嫌がり、クラスが落ちることを嫌がり、非常にプライドの高い娘さんです。中学受験を簡単にあきらめたりはしないのではないかと、お母さまからの文面を読む限り、私は感じました。

もしかしたら、そうやってお母さまが娘さんを子供扱いしていることが、娘さんの自尊心を傷つけているのかもしれません。もっと娘さんを信じてあげたらいかがでしょうか。娘さんが、「もう算数なんてやりたくない!」と癇癪を起こしたときには、「そういうときもあるよね。しょうがない」と娘さんの気持ちを尊重してみたらいかがでしょう? きっとこれまでにそういうこともされてきたのだと思いますが、もう一度初心に返ってみてもいいかもしれません。

大人でもありますよね。これをしなくちゃいけないとわかっているのに、どうしてもそこに意識が向けられないこと。そんなときに「何やってるの? やらなきゃだめでしょ」と他人に口出しされればされるほど、やる気が減退していくということがあると思います。人間は、自分の気持ちを理解してくれる人がいると感じて安心できているときに、「もうちょっとがんばってみよう」という気持ちになれます。娘さんに必要なのはそういう安心感なのかもしれません。

それと最後にひとつ、とっても気になることがあります。「塾の先生にも相談していますが、やる気はある時期になれば皆出てきます」とありますが、これ、言われると、親としてはつらいんですよね。そりゃそうですよ。切羽詰まれば誰だってそのうちやる気は出てきます。そんなことは塾の先生に言われなくてもわかりますよね。

一般論で言えば、何事においても、「本人のやる気が出るまで待つ」というのが学習者を支える大人たちの正しい態度です。でも中学受験という期日が決まっている勉強においては、そうも言っていられません。やる気が出るまでにどれだけ力をつけておくことができるかも、合否を分ける大きな要素であるわけです。やる気になってからで間に合うのならば、誰もやきもきしません。

子供本人がやる気になってくれたのであれば、先生は8割方、いや9割方役割を終えたと言ってもいいでしょう。「やる気」になっていないときにこそ、だましだましでもいいから、どうやって「その気」にさせるかが、塾の先生の腕の見せどころだと思います。

本人に「やる気」が満ちていなくても、必要最低限の学力を身につけさせる環境設定があるのが、塾の真価だと思います。しかし最近、「やる気至上主義」が跋扈しています。子供の成績が伸びないのを子供のやる気のせいにしてしまうのは、塾の先生による職務放棄に近いことだと思います。そのような塾の先生がいることに私はかすかな憤りを覚えます。

人生は、やる気が出たときにどれだけがんばったかということよりも、やる気が出ないときにでもどれだけ努力を積み重ねられるかによって、大きく左右すると私は考えています。そういう大切な姿勢を子供たちに教えるのが、塾という「学びの場」の大切な役割の一つでもあると思います。

その塾の先生が言っていることは一面的には100%正しい。しかしそれでは、娘さんの学力向上にも貢献しないし、「今、ここ」のお母さまの気持ちにより添うことにもならない。それどころか、こういうふうに言われると、お母さまだって、娘さんのやる気が発動するのを今か今かと待ちわびて、肩すかしを食らうたびに焦りが募りますよね。そのうち、「なかなかやる気の出ない娘がすべて悪いのだ」と思ってしまうかもしれません。でも、そんなふうに考えても、何も良くはなりません。

実は、こういうことを書くこと自体に、私自身のジレンマもあります。ご家庭と塾の信頼関係を損ねてしまう可能性があるからです。でもそれは本意ではありません。どんな塾の先生だって完璧ではありません。先生をあまり悪く思わないようにしてください。でも少なくともお母さんは、「やる気が出ないのはしょうがない。それよりもやる気が出ないときでも、どうにかそのときそのときに必要なことをこなす姿勢が大事」ということを肝に銘じておいてください。

ここで気づいたでしょうか。先ほど私は、娘さんが癇癪を起こしてしまうときには「そんなときもあるよね、しょうがない」と言って、娘さんの気持ちを尊重してあげましょうと書きました。でもここでは、「やる気が出ないときでも、どうにか必要なことをこなす姿勢が大事」と書きました。矛盾しています。でもそういうことなんです。子供の気持ちを受け止めて、安心させてあげることと、だましだましでもいいからなんとか必要な学力を身につけさせることを同時並行で行わなければいけないから、受験勉強は大変なのです。

「ここは気持ちを受け止めてあげるべきときかな」「ここはやらせなきゃいけないときかな」というのを、その都度判断しなければいけません。やっかいですよね。だからこそ塾があるのです。やる気がなかなか出てこない子供の気持ちを受け止めるのは、主に親の役割です。どうしてもやらなきゃいけないことをなんとかしてやらせるのは、主に塾の役割です。そこの役割分担がうまくいくといいのですけどね。

しかも反抗期に突入した娘さんを相手に、中学受験の本番が迫る中でそれをすることは、お母さまにとっても大変です。もし可能なら、こういうときにこそ、お父さんにがんばってもらいたいなと思います。お母さんに心の余裕がないときは、娘さんの話を聞く役を、お父さんにしてもらうとかです。おいしいところどりみたいに見えるかもしれませんが、それで娘さんの気持ちが落ち着くのであれば、いいじゃないですか。

大変長くなりました。そして答えはありません。でもこのご相談には、いまどきの中学受験をとりまくいろいろなレベルでの葛藤の要素が盛り込まれていたように思います。これだけで本が一冊書けそうな、深いご相談でした。ありがとうございました。

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