浜学園一番下のクラスで志望校に受かり そうになく、娘は塾をやめたいと…

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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.41

Q.浜学園一番下のクラスで志望校に受かり そうになく、娘は塾をやめたいと…

今、浜学園の一番下のクラスです(小5女子)。
同志社女子中学に通いたいと言っているのですが、 このままだと、受かりそうにありません。
娘は塾を、やめたいと言っています。

もし、塾をやめたとして、過去問や参考書などを何回もやるのか、このまま、塾を通わせたらいいのか、どうしたら良いのでしょうか。
いいアドバイスお願いします。(猫さん)

回答はこちら

A.親が教えるのは現実的ではありません。やめたいと思いながらの通塾では成果は出にくい。3通りの考え方があります。

今のままでは第一志望に手が届きそうにない成績なのですね。しかも本人が塾を辞めたいと言っている……。しかし、このまま塾を辞めて、自力で中学受験するというのであれば、ご両親がよほど腕に自信があり、かつ、娘さんに対して感情的にならずに勉強を教えられるほどに精神的にタフであることが条件です。実際は現実的な選択肢ではないでしょう。だとすると、3通りの考え方があるかなと思います。

1つは志望校を下げることを視野に入れることです。関西では「何が何でもこの学校」と狙いを定めて、そのために猛勉強するスタイルの中学受験文化が関東よりも強い印象があります。関東でももちろんそういうスタイルはありますが、一方で、「この子の学力で手が届くところに入れればいい」と考えるご家庭もいます。思いつめない中学受験ですね。そういう考え方に切り替えてみるという手はあると思います。もしかして、娘さんは、プレッシャーから本領を発揮できなくなっているかもしれません。だとすれば、プレッシャーを取り除いてあげることで本来の力を発揮できるようになる可能性はあります。

もう1つは、個別指導塾や家庭教師の利用です。しかし、注意が必要です。ただでさえ過負荷な状態で、さらにやることが増えてしまうようでは本末転倒。ここでいう個別指導塾や家庭教師は、ただ単に今の塾の宿題のわからないところを教えてもらったり、そこを補強するためにさらに課題を上乗せするような役割ではありません。むしろやるべきことの優先順位を決めて負担を減らす指導をしてもらうことを意図しています。安かろう悪かろうの個別指導塾や学生アルバイトの家庭教師では難しい役割です。実績のあるプロの個別指導塾や家庭教師が見つかればそういうものを利用して、学習サイクルを見直すことで、悪循環から抜け出せる可能性はあります。

最後はやはり転塾です。トップブランドの塾を離れるのは、それはそれで勇気が要るでしょうが、塾のブランドが合格をもたらしてくれるわけではありません。もし今の塾のやり方やレベルが娘さんに合っていないのであれば、娘さんにちょうどいい塾を見つけることでむしろ娘さんの学力が伸びる場合だってあります。幸いもともとカリキュラムのスピードが早い塾に通っていらっしゃったので、どこの塾に転塾してもヌケができることはないでしょう。娘さんの現在の偏差値よりちょっと高めの学校に強い塾を選ぶといいと思います。

「やめたい」と思いながら通っても、なかなか成果は出ないでしょうし、何よりご本人がつらいでしょう。早く何らかの手が打てるといいですね。

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