志望校が不合格なら公立中と思っていたのですが、塾は確実校も受験すべきと…

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.42

Q.志望校が不合格なら公立中と思っていたのですが、塾は確実校も受験すべきと…

現在、大手進学塾に通う小6男児を持つ母親です。

夫婦共に中学受験は考えていませんでしたが、息子本人がメディアで紹介された学校に魅了され、「この学校に通いたい!中学受験したい!」と通塾を決めました。

親にしてみれば子供の意志で「勉学に励む姿」は親バカですが誇らしく、息子の意向を尊重し、サポートは惜しまない姿勢でこの2年間を過ごしてきました。

おかげさまで、通塾後の学習も順調に進み、息子の熱望している学校には外部模試では80%の判定をいただけるまでになりました。また、思いがけず都内御三家と言われる学校へも可能性を見出され、塾の勧めで御三家対策講座を受講しています。

さて、ここからが本題になるのですが、塾ではこの時期、最終的な受験校を決定する頃となりました。家族内では息子の熱望校を受験。またゼミ受講している関係から都内御三家を受験。どちらも残念なら、公立中進学と思っておりました。

しかし塾側は「2校だけの受験は無謀。ここまで頑張って受験校の幅も広がっているのだから、確実に合格を勝ち取れる学校も受験校の視野に入れるべき。たとえ公立中進学するにしても12歳の彼らにとっては、合格体験は必ず必要ですから」とのご指導がありました。

地元では公立高校も名だたる進学校があり、通っている小学校でも中学受験するのは少数で、仲の良いお友達も公立中に進学します。そんな中、私たちの中では公立中に進学することは決して不本意な結果では無いにも関わらず、中学受験界(塾)では「全落ちから公立中進学は一生の負い目」のような応対をされることに疑問や不安な気持ちがとても大きくなっています。

例えば、合格体験が本当に必要ならば一番偏差値の低い学校を受験するのが可能性としては高いと思うのですが塾側は「そうではなく、複数校を受験することで持ち偏差値やチャレンジ校にも合格することが自信につながるんです」とおっしゃいます。

近親には中学受験者がおらず、子育て自体も初めて(ひとり息子)のこと。その道の専門(塾)の言うことが絶対だと思う気持ちと、公立中にも行きたいと言っている息子の気持ちを尊重したい気持ちで揺れ動いています。(息子は通う気持ちのない学校を受験する気は無いとも言っています。)

全落ちで公立中進学する子ども達はその後、心の傷を癒せずに未来を過ごすことになるのでしょうか? 複数校受験することで、必ず納得のいく受験を終えることが出来るのでしょうか? どうか、アドバイスをお願いします。(さとこ)

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A.自ら受験を志し学力も十分とは立派!親子とも全落ちを気にしていないなら、2校だけの挑戦をすればいいと思います

自ら進んで中学受験を志し、努力を重ねて御三家を狙えるほどの学力を身につけたのですね。立派です。御三家ではない方の学校が第一志望校というのもかっこいいですね! その2校でダメなら地元の公立中学に行くという覚悟があることも、個人的にはいいと思います。万が一両方ダメでも胸を張って公立中学に行けばいいと思います。

「どこかには受かりたい」と思う親子がいることも事実です。その場合は、どんなに偏差値が低くても「合格」を勝ち取ることに意味があります。全落ちではたしかに子供の心に傷が残ることもあります。でも息子さんもご両親もそんなことは気にもしていないというのなら、堂々と2校だけの挑戦をすればいいと思います。

いただいた文面の感じから、「たぶん第一志望も御三家も両方受かってしまって、最終的にどちらに行くか悩んでいます」というようなご相談を再度いただくような気がしていますが(笑)。

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