模試で偏差値が激落。このまま中学受験 に向かうべきか、結果が怖くなりました

塾・学校の実態に精通する教育ジャーナリスト・おおたとしまささんが、「中学受験を家族にとってのいい経験にする」というコンセプトで、中学受験のさまざまな相談にアドバイスしてくれます!
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育児・教育ジャーナリストおおたとしまさの中学受験 心すっきり相談室 vol.48

Q.模試で偏差値が激落。このまま中学受験 に向かうべきか、結果が怖くなりました

今すごく悩んでおります。中学受験するため3年の春から進学塾に入れました。一年間は頑張って上位目指してましたが、先日(新4年生)の初めての模試ですごく偏差値が下がってしまいました(偏差値が10以上下がってしまいました)。塾に通いだして一年目に結果は簡単には出ないとは思いますが、受験するにあたり、こどもには色々制限(遊びやらお稽古事)させています。

5年になれば今以上にと思います。それなのに、偏差値が上がらない勉強しているのに結果が出ないとなると、このまま受験するよう塾に通ってもいいのか迷ってます。

いろんな学校があるのだから自分に見合ったところがあるんでしょうが、今無理に受験せずに公立中学へ行って高校受験の方が伸びるのではと思ってしまいます。このまま4年の塾をスタートさせるか今やめるか……。

5年になるとたとえ成績が伸びなくてもお稽古事などもやめてしまって、塾へ行ってるのですからもう受験はやめられないように思います。今が4年生だから迷ってるんです。ただ子供はこのまま受験したいと思ってます。私はテストの結果が全てだとは思っていません。でも結果が怖いんです。少々成績が下がっても子供が望むよう通塾し受験した方がいいんでしょうか?

親がこんなに成績で一喜一憂するのはいけないと思ってるんですが、成績が落ち込むとこんなに苦しく怖いんです。おおた先生どうかアドバイスよろしくお願いします。(M-MA)

回答はこちら

A.長い受験生活の中で親は皆、大きな葛藤を経験するものです。何のための中学受験なのか、もう一度考えてみてください

まだ子供ですから成績の乱高下はあるでしょう。おっしゃるとおり一喜一憂するのはよくありませんね。そんなときこそ親がでんと構えていないと。ずっといい成績でそのまま志望校に合格だなんて楽な中学受験生活を送ることができる親は、ほんの一握りだと思います。結果的に第一志望校に合格できたお子さんの親でも、長い中学受験生活の中ではたいてい大きな葛藤を経験するものです。中学受験生の親の試練だと思ってください。

以上が私からの回答ですが、ご相談の中で気になることもあります。「無理せずに公立中学へ行って高校受験の方が伸びる」というのはどういう意味での比較でしょうか。結果的に所属できる高校の偏差値で比較されていますか? 中学受験で入れる中高一貫校よりも、高校受験で入れる高校のほうが偏差値が高いんじゃないかという比較でしょうか? だとしたらお母様はそもそも中学受験の意味をはき違えていると思います。

12歳より15歳で大きく伸びる子というのはいると思います。でも、その伸びるタイミングを、どこで過ごすかということが大事ではないでしょうか。中高一貫校ならばそのタイミングを、高校受験に邪魔されず、自分の好きなことに打ち込んだり、将来の夢を見つけたりということに、時間を割けます。そういう思春期を望むのであれば、中学受験をして中高一貫校に進むのがいいでしょう。しかし単にいい大学に行きたくて、そのためにできるだけ偏差値の高い高校に所属しておきたいというのなら、たしかに高校受験でがんばればいいと思います。

極端な話、高校など行かなくても、大学受験のための勉強だけしていれば、そこそこの大学には入れるでしょう。そういうことに対応してくれる塾はたくさんあります。

何のために中学受験をするのか、もう一度冷静にお考えになるのがいいのではないかと思います。参考として拙著『進路で迷ったら中高一貫校を選びなさい』をお読みいただくといいのではないかと思います。

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