お子さまと一緒に気軽な知的体験「大学博物館」の魅力

inter-edu’s eye
前回取材にご協力いただいた、中央大学クレセント・アカデミーの『こどものための哲学教室』。職員の方が、大学の「知」を社会に還元することも、大学の使命だということをおっしゃっていたことが印象的でした。
そこで今回の大学リサーチでは、誰もがより気軽に大学の「知」に触れられる場としての「大学博物館」についてリサーチしてみました。

東京大学の大学博物館

東京大学

まずは、日本の大学を語る上で絶対に外せない東京大学。ホームページを覗いてみると、社会連携について伝えるページの中に「博物館等公開施設インデックス」というコーナーが見つかりました。

さすがは東大!25人の研究スタッフを擁するメインの総合研究博物館(本郷本館と小石川分館があり、本郷本館は2020年度まで耐震工事のため休館中)だけでなく、教養学部と大学院総合文化研究科の駒場博物館(美術博物館と自然科学博物館で構成)、医学部と医学部附属病院の健康と医学の博物館(近現代の医学の歩みについての常設展のほか、企画展や特別展も実施)、農学部と大学院農学生命科学研究科の農学博物館農学資料館(忠犬ハチ公の臓器やハチ公の飼い主で有名な上野先生の胸像を展示)など、各学部・大学院の研究と連携した博物館がたいへん充実しています。

東大の博物館・資料館巡りをするだけでも、膨大かつ本格的な「知」に触れることができそうです。
なにも「さあ、大学の『知』に触れるぞ!」と気負わなくとも大丈夫。小石川植物園日光植物園も、理学部と大学院理学系研究科の附属施設です。また、2014年にオープンした宇宙ミュージアムTeNQは、大人も子どもも楽しく宇宙について学べるスポットの定番ですが、実はここも東京大学総合研究博物館が株式会社東京ドームと連携して開設したものでした。

東京大学の主な公開施設

名称 所在地 休館日 開館時間 入館料
総合研究博物館
本郷本館
本郷キャンパス内 2020年度まで長期休館中 10:00〜17:00
入館は16:30まで
無料
総合研究博物館
小石川分館
東京都文京区白山 毎週月・火・水曜日
(祝日は開館)
年末年始
10:00〜16:30
入館は16:00まで
無料
駒場博物館 駒場キャンパス内 火曜日 10:00〜18:00
入館は17:30まで
無料
健康と医学の博物館 本郷キャンパス
東大病院内
毎週水曜日(祝日は開館)
年末年始
10:00〜17:00
入館は16:30まで
無料
農学博物館 東京都西東京市 毎週火・金曜日のみ開館 10:15〜14:45
入館は14:30まで
無料
農学資料館 本郷キャンパス
農大正門隣
09:00〜17:00
小石川植物園 東京都文京区白山 月曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始
09:00〜16:30
入館は16:00まで
大人400円
中学生まで130円
日光植物園 栃木県日光市花石町 月曜日(祝日の場合は翌日)
12月1日〜4月14日
09:00〜16:30
入館は16:00まで
宇宙ミュージアムTeNQ 東京都文京区後楽 年中無休 平日11:00〜21:00
土日祝など
10:00〜21:00
入館は20:00まで
大人当日1800円
子ども当日1200円
ほかホームページ参照

京都大学の大学博物館

京都大学

では、京都大学はどうでしょうか?
京大には、京都大学本部の構内に、京都大学総合博物館という日本最大規模の大学博物館があります。1897年の京都大学創設当時から構想があり、1914年に陳列館の最初の建物が竣工した、日本初の大学博物館です。自然史、文化史、技術史の常設展があるほか、企画展・特別展も充実。大学院生による対話型のイベント「子ども博物館」も定期的に行われています。
また、和歌山県にある京都大学白浜水族館も、京都大学フィールド化学教育研究センターの付帯施設です。

なお、京都では、2011年に京都工芸繊維大学美術工芸資料館が中心となって「京都・大学ミュージアム連携」が発足。京都市内の14大学の大学博物館が連携して、合同展覧会やスタンプラリーなどを企画し、大学と大学博物館の活性化に取り組んでいます。

京都・大学ミュージアム連携 参加博物館

名称 休館日 開館時間 入館料
大谷大学博物館 日・月曜日 10:00〜17:00 無料
特別展は500円
京都外国語大学
国際文化資料館
土・日曜日、祝日
展示替等の休館
10:00〜17:00 無料
京都教育大学教育資料館
まなびの森ミュージアム
火・木・土・日曜日、祝日
年末年始ほか
詳しくはこちらをご覧ください。 無料
京都工芸繊維大学
美術工芸資料館
日曜日、祝日
展示替等の休館
10:00〜17:00
入館は16:30まで
一般200円
学生150円
高校生以下無料
嵯峨美術大学・嵯峨美術短期大学
附属博物館
日曜日、大学行事・長期休業日など 10:00〜17:00 無料
京都産業大学ギャラリー 日曜日、祝日、年末年始など 月曜
13:00〜16:30
火〜土曜
10:00〜16:30
入館は16:00まで
無料
京都市立芸術大学芸術資料館 月曜日(祝日の場合は翌日) 10:00〜17:00 無料
京都精華大学
ギャラリーフロール
日曜日、祝日、大学が定めた日 10:00~18:00 無料
京都造形芸術大学芸術館 日曜日、春季・夏季休暇中、大学入試期間中 10:00〜17:00
入館は16:40まで
無料
京都大学総合博物館 月・火曜日、年末年始、6/18
8月第三週水曜日
9:30〜16:30
入館は16:00まで
一般400円
高・大生300円
小・中学生200円
同志社大学歴史資料館 土・日曜日、祝日、夏期および冬期休暇 10:00~11:30
12:30~16:00
無料
佛教大学
宗教文化ミュージアム
日曜日、祝日、年末年始
大学が定める休日など
10:00〜17:30
入館は17:00まで
無料
立命館大学
国際平和ミュージアム
日曜日、祝日の翌日、年末年始 09:30〜16:30
入館は16:00まで
大人400円
中高生300円
小学生200円
龍谷大学龍谷ミュージアム 月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替等の休館 10:00〜17:00
入館は16:30まで
一般500円
65歳以上・大学生
400円
高校生300円
中学生以下無料

たとえばパリのルーブル美術館の収蔵品を何日もかけて鑑賞するように、京都の大学博物館をめぐるだけで、多くの学びと命の洗濯ができそうです。そこまで詰め込まなくとも、古都観光のついでに気になった大学博物館にも訪れてみるというのもよいかも知れませんね。

全国にあるさまざまな大学博物館

次に、全国の大学博物館を見てみましょう。

北海道大学、東北大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学といった旧帝国大学には、いずれも総合博物館が置かれています。中でも北大の総合博物館は、前身となる札幌農学校以来の400万点にものぼる標本や資料を400万点以上も備えた大規模なものです。

名称 休館日 開館時間 入館料
北海道大学
総合博物館
月曜日(祝日の場合は翌平日)
9/1,12/18-1/4など
10:00〜17:00
6〜10月の金曜日のみ〜21:00
無料
東北大学
総合学術博物館
月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始、お盆、8月最終日曜日
10:00〜16:00 大人150円
小・中学生80円
名古屋大学
博物館
日・月曜日 10:00〜16:00
入館は15:30まで
無料
大阪大学
総合学術博物館
日曜日、祝日、年末年始 10:30〜17:00
入館は16:30まで
無料
九州大学
総合研究博物館
毎週月曜日、ほか 10:00〜17:00
入館は16:30まで
無料
(※一部有料のイベントもあり)

他にも、国公立大学を中心に、全国各地の大学に、それぞれの大学の特色や設置された背景などがよくわかる大学博物館が数多く設置されています。
たとえば、古くから鉱山開発が盛んだった秋田県の地域特性がよくわかる秋田大学の鉱業博物館、「越中富山の置き薬」の伝統を受け継いだ富山大学の和漢医薬学総合研究所、民族薬物資料館(一般公開は公開日のみ)、日本で唯一の海洋学部をもつ東海大学の東海大学海洋科学博物館(海のはくぶつかん)、多くの文化人や劇作家を輩出している早稲田大学らしい、全国で唯一の演劇専門の博物館である早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、伊勢神宮のお膝元で、日本文化の起源である神道の研究を行っている皇學館大学ならではの神道博物館などです。

さらに、各地の生物学系の教育・研究を行っている大学に附属植物園や水族館が置かれているほか、芸術系の大学による美術館なども多くあります。こういった大学附属の植物園、水族館、美術館等については、稿を改め、またいずれご紹介したいと思います。

本格的な「知」に気軽に触れられる大学博物館

広く一般に公開されている大学博物館なら、公開講座やオープンキャンパスなどに参加するよりも、敷居は高くないのではないでしょうか。入館料も無料か安価に設定されているところがほとんどなので、ご家族で遊びに行く感覚で、気軽に行ってみることができます。
さらに、大学博物館の多くは、大学のメインキャンパス内にあります。大学の普段の雰囲気を肌で感じたお子さまが、「ここの大学で勉強したい!」と密かに決意してくれたらしめたものですね。

そこまで欲張らなくとも、大学博物館の展示・収蔵品は、展示物であるとともに学術的にも価値のあるものばかり。そんな「知」が集積された大学博物館へ、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?