「国内屈指の強豪校」日大藤沢の水泳部顧問に聞く強さの背景【エデュスタッフ訪問記】(2ページ目)

国内トップレベルの有名選手を多数輩出

銀メダリストとなった本多灯選手、日本選手権などで上位成績を収めた五十嵐千尋選手、陸上競技からの転向で新たな才能を開花させた岸本新菜選手など、誰もが認める国内トップレベルの選手を輩出してきた日大藤沢。ニュースの見出しを飾る有名選手が過ごした学校生活についてお話をうかがいました。

日大藤沢出身の本多灯選手が過ごした学校生活は?

高校在校時から国体や世界ジュニア選手権で華々しい戦績を残し、東京五輪銀メダリストになった本田灯選手
高校在校時から国体や世界ジュニア選手権で華々しい戦績を残し、東京五輪銀メダリストになった本多灯選手

植村先生:2019年に本校を卒業した本多灯選手は、明るい性格でリーダーとしての気質に満ちており、水泳部でもキャプテンとして活動していました。クラスでは学級委員として周りのみんなを引っ張っていく存在であり、練習以外にも食事や休養の取り方まで研究して日々の生活に取り入れていましたね。勉強などの学校生活と水泳の両立をしっかりできていたからこその結果が、メダリストとして開花したと確信しています。高校生としてやるべき勉強・学校生活をこなした後に部活動に励むという生活スタイルがしっかりできていました。

部活動と勉強を両立できる生徒の特徴は?

植村先生:スポーツに伸び悩んだ生徒は、勉強にも困っているケースが多く、相互関係があると思われます。その逆も同じことが言えるでしょう。自分で空き時間を上手く活用できている生徒は、高校になってからテストの成績が伸びる生徒が多い印象です。水泳では中学の頃にトップの順位を維持していたとしても、必要な要素を理解して練習しているのか、果たしてそうではなく何となく日々を過ごしているのかで、その後の成長度合いが大きく変わっていきます。自分に何が足りないのかを客観的に見ることで、以前と今の違いを冷静に分析することで伸び悩みを克服することが重要です。この点は、勉強にも共通していますね!

アジアエージグループ選手権やインターハイ、日本選手権などでの優勝を経てリオデジャネイロ五輪に出場した五十嵐千尋選手
アジアエージグループ選手権やインターハイ、日本選手権などでの優勝を経てリオデジャネイロ五輪に出場した五十嵐千尋選手
水泳部出身であり、女子トライアストロンで世界屈指の実力者として東京五輪でも話題に上った岸本新菜選手
陸上部出身であり、女子トライアスロン界でも世界屈指の実力者として東京五輪でも話題に上った岸本新菜選手

顧問としてのアドバイスは?

数々の有名選手を育てたスポーツ指導者であり、英語教諭としても生徒たちと接している植村弘先生
数々の有名選手を育てたスポーツ指導者であり、英語科教諭としても生徒たちと接している植村弘先生

植村先生:とても残念なことではありますが、スポーツの世界ではどんなに時間をかけて努力しても限界が見えてしまう場合があります。全員が大会に出場し、良い成績を出すとは限らないということです。それでも諦めずに粘り強く努力を重ねることが人生の糧につながっていきます。人格形成における手段のひとつとして部活動を捉えてほしいと考えています。もちろん、個々の生徒が思い悩む様子にフォーカスを当てて、人間的な成長を見守っていきます。

本校を卒業したかつてのメンバーには、作家として活躍する方がおられますし、日本代表として国際大会に出場する現役選手もいます。彼ら・彼女らの人生の一場面に深く関われたことに嬉しさを感じています。

エデュスタッフから見た「日大藤沢の文武両道」

今回のエデュスタッフ訪問記では、日大藤沢が誇る水泳部の顧問である植村先生から詳細なお話を聞かせていただくなかでも、部活動の練習と同じように、学力や人間性を高めることを推奨する教育方針が強く感じられる取材となりました。訪問記による取材連載は今後も続きます。日大藤沢の今後にご注目ください。

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日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校

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