大学受験、医療・看護系で情報収集と戦略が重要な理由(2ページ目)

医療・看護系学部入試の意外と知らない落とし穴

医療・看護系学部入試の意外と知らない落とし穴

将来の職業やライフスタイル、世の中への貢献度などまで視野に入れて考えると、非常に魅力的にうつる医療・看護系という進路ですが、一方で大きな落とし穴もあります。
それは、他の学部に比べて、後戻りがきかないということです。

例えば教育学部に入学した学生が、途中から「自分がやりたかったことは教師ではない」と思ったとしても、大学で学んだ内容を活かして一般企業に就職することは可能です。しかし、医療・看護系の学部・学科の場合、学ぶ内容はそのまま将来の職業と直結したものです。そのため、「この仕事に就きたくない」と思った時点で、その学校に在学していること自体に意味がなくなってしまい、退学という選択につながってしまいます。

ですから、「自分は本当にこの職に就きたいのか」「職種への適性はあるのか」といった部分の見極めをより慎重に行う必要があります。「やりたいこと」や「憧れ」と「適性」とは、残念ながら違うこともあるでしょう。お子さまをもっとも近くで見てきた親御さんからの冷静な助言が必要な場面も出てくるかと思います。

また、医療系の場合、例えば同じ看護学部でも、その大学の建学の背景によって就職先の傾向が大きく違います。最先端の附属病院がある大学の医学部看護学科と、地域医療を担うべく設置された県立大学の看護学部とでは、同じ看護師であっても、将来の職場や日々接する患者さんは全く異なるでしょう。漠然と「看護師になりたい」ではなく、「最先端の医療技術を身につけたオペナースになりたい」「医療者不足の故郷で役に立つ看護師になりたい」といったような将来像までイメージして、「では、そのためには同じ看護学部でもどの大学がよいのか?」を検討しなければならないのです。
看護系の学部に関していえば、入試問題の傾向もやや独特のものになっています。志望が固まったならば、より早めの情報収集や対策が必要になってきます。