都立中高一貫10校応募倍率から見る入試の状況【2020年度】(2ページ目)

2020年度(令和2年度)の都立中入試傾向

昨年2019年度(平成31年度)と比べると今年度、10校合計の募集人数(特別枠・一般枠合計)が7,912名となり、これまで8,000名以上の応募人数だったのが、初めて8,000台を下回りました。平均倍率も昨年度の6.02倍から5.74倍の微減となっています。
10校中応募者数の減少が一番見られたのが小石川中等教育学校で、昨年度と比べ150名の減少となっています。その理由として難度が高く、敬遠される傾向にあるからと思われます。

その一方、高校からの入学者募集を停止する両国高等学校附属(2022年度停止予定)、富士高等学校附属(2021年度停止予定)が応募増となりました。両国に至っては倍率7倍の高倍率になっており、先の都立高校受験を見据えた状況となっていると考えられます。また附属小学校が併設予定の立川国際も応募人数が増加しました。

再編が進む都立中高一貫校。高校募集停止の余波が続く傾向

高校募集を行っていた学校では、6年間一貫で行うカリキュラムを内部進学生と高校から入った外部新学生との間で調整する負担があり、完全な中高一貫でのカリキュラムを遂行するため募集停止に至った背景があります。

上記の2校以外にも高校募集停止を発表しているのは、武蔵高等学校附属(2021年度予定)、大泉高等学校附属(2022年度予定)、時期は未定ですが、白鷗高等学校附属も高校募集停止を予定しています。高校募集停止を行う学校では中学段階での生徒募集人数を増やすとしていますが、高校から入れる都立高校が実質減少することに変わりはなく、当面、都立中高一貫校人気が続くでしょう。

参照:「都立高校改革推進計画・新実施計画(第二次)」の策定について

しかし、私立の男女御三家での2018年、2019年の応募倍率を見ると、麻布中学では3.1→3.5、開成4.1→4.1、女子学院3.3→3.3(インターエデュ調べ)となっています。都立中も時間をかけて倍率はおそらく3.5〜4.5の間に落ち着いてくるものと予測します。