中学受験 いつから塾に通い始める?(3ページ目)

塾に入るまではどんな勉強をしたらいいの?

付箋がたくさんついた参考書

大手塾が示す入塾時期となる3年生の2月までは、いったいどんな勉強を、どのくらいしたらよいのでしょうか。

プロ家庭教師の西村則康先生は、次のようなアドバイスをしています。(「学年別中学受験アドバイス&先輩ママの声」メールマガジンバックナンバーより)

どんな勉強が必要?

「4年生という年齢は、自分の頭で考えられるようになる成長の大きな転換期なので、それ以前に受験勉強を始めてもあまり意味がないことが多いのです。3年生まではできるだけ多くの生活知識を身につけ、基礎学習(読み・書き・計算)をていねいに行っていれば十分です。」
(「成績が伸び悩んでいるときの対処法」より)

毎日どのくらい勉強したらいいの?

「1~3年生の勉強時間は、国語と算数について1教科あたり『10分×学年数』を目安にしてください。1年生なら10分×1で10分、2年生なら10分×2で20分といった具合です。教科書に沿った問題集を1冊買っておき、この時間内にそれで学習するように促すと、基礎学力が着実に身につきますよ。」
(「受験生の体調管理のポイント」より)

中学受験の先を見据えて、学び続ける「力」を育むことを目標に

低学年での生活体験が後伸びする力に

中学受験に必要な学習とは何かを考えたときに、「点数を取るための対策」に目が行きがちです。

しかし、中学受験勉強を通してお子さまに身につけてほしい力があります。
それは、お子さま自身が中学、高校、大学と将来にわたって、自分を伸ばし続ける力です。

西村先生はこう言います。

幼児期から小学3年生までの生活体験は、子どものその後、つまり高学年、中学、高校と着実に力を伸ばしていけるかどうかに大きく関わっています。ここでいう“力”は、学力だけではありません。
一生を通して大切な共感力や観察力、また、新たな知識を身につけたときの快感や、「なぜ」と疑問を持てるようになることなども“力”にあたります。

これらの力の土台を作る上で何より大切なのが、『身体感覚』と『生活知識』です。そして、この2つを育んでいくには、お子さまの好奇心が必要不可欠になります。
子どもは日々、さまざまなことに興味を抱きますから、親御さんにはお子さまの興味や好奇心の芽を見逃がさずに育て、広げていってあげてほしいのです。

このような家庭環境で育った子どもは、自然と知的好奇心が育まれます。いろんなことに興味を持つことができると、『身体感覚』や『生活知識』も身についていき、中学入試でうまくいくことが多いです。
もちろん、小学校高学年になったからもう遅い、というわけではありません。
(「中学受験でも役立つ知的好奇心の育て方」より)

実際に中学入試でも、実体験が点数に結び付くこともあります。知的好奇心がお子さまの考える力を育て、思考力が試される問題にも対処できるようになります。

「今わが子に必要な学びは何か」という視点が大事

中学受験はあくまで、お子さまの人生の通過点にすぎません。また、中学受験のための勉強は、志望校に合格するためだけのものではありません。

お子さまが学力を将来にわたって伸ばし続けていくためには、月齢に応じた学びも大切です。低学年のうちに、ゆったりとした時間の中で考える力を育むことが、中学受験とその先にも生きていきます。

ぜひ、長期的な視野に立って、「中学受験」をとらえていただきたいと思います。