中学受験、習い事との両立はできる?(2ページ目)

中学受験と習い事を両立するポイントは?

実際に習い事を続けつつ受験をしたご家庭は、どのように両立していたのか、またどういったメリット・デメリットがあったのでしょうか。
体験者の声をご紹介します。

●ピアノや音楽などの、自宅練習がいる習い事は、早めにやめる方が多かったように記憶しています。 逆に行けばいい習い事(たとえば運動系)は、体調維持とストレス発散を兼ねて、最後の方まで行っていた方もいました。 最後まで続けていた方も無事、難関の志望校に合格していたケースもありましたので、必ずしもやめなければいけないものでもないと思います。
(周囲ではさん)

●スイミングと英語、ピアノをやっていました。スイミングは大手のスポーツクラブのスクールで週に1回、6年の夏休み前まで続けました。水泳は目標級があればそこまでと着地点を見つけやすいと思います。3泳法クリアあたりがいいのでは? 英語は個人の先生の集団レッスンでした。こちらは5年の3月で切りがよかったのでやめました。
(結局は臨機応変になるんですがさん)

【4401550】私立中受に向けた習い事整理より)

家での練習が必要なく、週一回通う程度であれば最後まで続けてもあまり負担にならないのかもしれません。また、区切りのよいところまでは、という考え方もありますね。
一方、習い事を入試の直前期まで続けたいという場合は、覚悟が必要のようです。

●かなりぎりぎりまで週3回のレッスンに通っていました。また夏には発表会もあったので、大事な講習を休む必要もあり、絶対的な勉強時間が少ない状態でした。
(みずきさん)

習い事をぎりぎりまで。やきもきしながら一歩引いて見守ったフルタイムママの中学受験より)

●当時(小6年生)、息子は週5でサッカーとフットサル、週1で英会話教室の習い事をしていました。受験まで残された時間はとても短く、小学校以外に、塾等の習い事、学校巡りを限られた時間の中で行うも、段々と気持ちの余裕がなくなり、言い争いが増えるなど家族崩壊の危機も…。学校巡り等で数回練習試合を欠席したことも影響し、息子はサッカーでレギュラーを外されることも増え、結果、全てにおいてのモチベーションが下降、立て直すのは大変でしたが、習い事の両立の難しさを家族全員が思い知りました。
(AQUAさん)

(「小6、5月からの中学受験。塾に見放されるも、家族一丸となって見事第一志望合格!」より)

中学受験期間の習い事をやめさせたい【中学受験 保護者のお悩みQ&A】

お子さまがどうしても続けたいという場合、受験生の親としては、両立の負担が目の前に見えて大変悩むことでしょう。教育家の小川大介先生は、家族での話し合いを大事にしてほしいとアドバイスをします。

ご相談

現在、バイオリンと塾を両立しています。(中略)
娘はどちらもやめたくないと言います。親としては、バイオリンは、プロになれるほどの腕も気概もないと感じています。しかし、本人は、バイオリンだけはどうしてもやめたくないと言います。(中略)しかし、最近は先生もますます難しい課題を出してくるため、練習時間も毎日1・2時間におよびます。
この先、娘を説得してやめさせるべきか、塾の成績がボロボロになるのを待ち、本人に判断させるべきか悩んでいます。

小川先生からのアドバイス

まずは、少し落ち着いて、ご夫婦で話をする時間を設けることをおすすめします。親として、この子にどうなってほしいのか、それをかなえるためには何ができるのか。

次に、お子さんがバイオリンを続けたい本当の理由を考えてみましょう。音楽は、心のバランスを取るために必要なのかもしれません。バイオリンが、本人にどんな影響や感情を与えているのかを、しっかりみてあげてほしいと思います。

限られた時間の中で、勉強との兼ね合いを考えながら予定を組む必要があります。子どもが実行可能で、達成感をもって取り組めるような勉強方法の研究を家族でしていきましょう。家族全員で褒め合い、励まし合いながら決めていってください。

「音楽も塾も中途半端な娘に発狂寸前⁉ 中学受験の親の立ち位置を再確認」より)
※小川先生のアドバイスを動画でご覧いただけます。

お子さまへの負担をみて柔軟に調整して

お子さまへの負担をみて柔軟に調整して

中学受験生活は、6年生に向けて徐々に忙しくなっていきますから、いきなり習い事を辞めなくても、状況に応じて整理していくことをまずは考えてみましょう。負担の少ない習い事なら、最後まで続けることもできます。両立することでお子さまへの負担が大きすぎると感じたときは、無理なく生活が回るよう、取り組み方を見直しましょう。

受験も、習い事も、「~しなくてはならない」という思い込みは脇に置き、まずはお子さまの気持ちをじっくり聞いてみてください。お子さまの笑顔あってこそ、勉強の成果も生まれるのですから。