難関男子校ママたちに聞く! 後悔しない受験直前期の過ごし方「過去問対策編」(3ページ目)

「時間の慣れ」「出題への慣れ」が合否を大きく左右する!

エデュ:過去問をやってみて、学校別の出題傾向や本番までの苦手対策など、気づいたことはありますか?

開成中ママAさん:「この学校は問題数が多いから、速く解くことが大切」とか「この学校はひらめきが求められるんだね」とか、学校ごとにいろいろな特徴があるのを、本人はおもしろがっていましたね。

駒場東邦中ママCさん:うちの子は、理科が苦手だったので、過去問を解いても、最初はなかなか点数がとれませんでした。理科といっても学校によって傾向が異なり、たとえば広尾学園のように、ふだんから科学の本などを読んでいないと理解できないような出題もあります。塾の先生のすすめで、広尾の理科の過去問は2周取り組みました。

筑波大学附属駒場中ママBさん:「時間の慣れ」が合否を分けると気づきました。たとえば開成の入試は、算数60分、国語50分、理科・社会40分ですが、過去問をその時間どおりにやっていたら、本番では間に合いません。家では各教科30分で解いて採点し、間違いの傾向を調べ、何分で解けば精度が高まるかを分析しました。学校によって、どこまで解けたら合格者平均点に到達するのかを把握することが必要ですね。数多くの年数分を解くことを重視するより、少ない年数分でも、きちんと分析をしながら取り組むことが大切だと思います。

エデュ:過去問の「間違い」について、どのように対応していましたか?

筑波大学附属駒場中ママBさんお手製の間違いノート
筑波大学附属駒場中ママBさんお手製の間違いノート

開成中ママAさん:これまで模試や過去問で間違えたところをまとめたノートを私が作り、いつでも見返せるようにしていました。この「間違いノート」を、入試当日もお守りのようにカバンに入れていましたね。

筑波大学附属駒場中ママBさん:親自身でも過去問を解いてみると、いろいろ見えてきます。最初は私も算数の解き方がわからず、YouTubeの解説などを見ながら、さまざまな問題にトライしました。そのおかげで、息子がなぜ間違えるのかがわかり、うまくアドバイスできるようになりました。わが家も「間違いノート」を作り、食事中などに、クイズ感覚で問題を出したりしていました。

駒場東邦中ママCさん:うちの場合、塾がしっかり過去問の直しを見てくれるところだったので、「なぜ間違えたのか」「どうしたら正解を導けるか」のやり取りをしながら、OKが出るまで繰り返し解きました。だんだん間違いの質が良くなって、最後には、すんなりOKをもらえるようになり、それが自信につながりました。

過去問対策のポイントまとめ!

「過去問をやる計画は、思ったようにいかなくて当たり前」という保護者のみなさんのことばに、大きくうなずきました。本当は、「この話、娘の受験時に聞きたかった~」というほど、当時は「時間がない!」「合格平均点に到達していない!」とパニックになっていたのを思い出します。では、今回のポイントを振り返りましょう。

1.過去問の計画は、思ったように進まなくてOK。「1週間に1年分(4科目)を解く」のように大まかなスケジュールを立て、その日の気分や状態によって、微調整しながら取り組もう。

2.12月までは「塾の勉強>過去問」の優先順位で。すべてに全力で取り組もうとすると、体力・気力ともにダメージが大きい。不安になっている子どもには「過去問は1月からも十分できる。まずは塾の勉強をしっかりやろう」と声をかけて。

3.時間に対する慣れと出題傾向への慣れが、合否を大きく左右する。これまでの間違いを振り返れる、手作りの「間違いノート」は、本人の安心材料になり、入試当日のお守りに!

【連載】難関男子校ママたちに聞く! 後悔しない受験直前期の過ごし方

メンタル・前編

連載②メンタル・前編
直前期にもかかわらず、YouTubeにゲーム。イライラマックスで子どもと喧嘩してしまった!どんなエピソードがあったのでしょうか。

連載③メンタル・後編
保護者のメンタルコントロールは直前期とても大切です。気持ちを落ち着ける方法、前向きになる願掛けなどをご紹介します!

連載④入試当日に向けての心構え編
お子さまにとってはじめての受験。気持ちが高ぶって予想もしなかった事態も。先輩ママはどのように乗り越えたのでしょうか。これから受験をする保護者へアドバイスも必見です!