【中学受験2023】難関校・人気校向け直前期の社会の対策・必勝法!(時事予想問題・解説あり)

12月に入り中学受験もラストスパートの時期となりました。受験生はこれまでの知識を点検し、より多くの演習を積むことに集中していることと思います。焦らずに、目の前の課題をコツコツ積み上げていきましょう。
今回は、中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」の代表、野村恵祐先生にうかがった難関校・人気校の受験生向け社会の対策をご紹介。学習の重点ポイントが整理できます。
また、2023年中学入試の社会で出題されそうな時事問題もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

難関校・人気校の直前期の社会の対策は?

1点でも落とすと致命的!重要キーワードは100%完璧に

難関校・人気校の直前期の社会の対策は?

難関校・人気校志望の受験生は、塾の社会のテキストを良いペースでこなしてきたことと思います。重要キーワードはしっかりと頭に入っている状態でしょう。
しかし、安心はできません。難関校・人気校では1問でも落とすと致命的です。暗記用教材1冊は100%完璧に覚えて、ケアレスミスをしない状態に持っていきましょう。

過去問で間違えた問題は「辞書代わり」のテキストと照らし合わせる

志望校は第一から第三まで決まっていることと思います。過去問は最低でも3年分を解きます。解いたあと、できなかった問題は、今まで重要キーワードを覚えてきたテキストと照らし合わせて、弱点をなくす対策を行いましょう。

照らし合わせのポイントは、「間違えた問題が、今まで重要キーワードを覚えてきたテキストのどこの部分を覚えていなかったから解けなかったのか」を把握することです。テキストを開き、該当箇所には、いつも使っているものと違う色のマーカーで印をつけると、振り返りのときに「過去問で点が取れなかった箇所」だと分かり、より頭に残ります。

難関校・人気校では、自分の知識を超えた問題や、重箱の隅をつつく問題も出てきます。そういったテキストに載っていないような内容は、余力があるならテキストに書き足しましょう。
たとえば、過去問で、過去の国連の事務総長の名前を問う問題が出てきたときには、公民のテキストの現在の国連事務総長の横に書き足しておくといったイメージです。

こういったやり方を積み重ねることで、過去問をすればするほど、知識のデータベースが増えていきます。書き込みを重ねたテキストは辞書代わりになり、知識の土台となっていきます。また、過去問演習にて、あらゆる角度からの問題を解くことで知識がより頭に入ります

御三家・超難関は社会が独特、過去問は手に入る分だけ解く

難関校・人気校の社会は、学校によって特徴があります。
たとえば、渋谷教育学園幕張中学校は記述問題が多く出題されます。麻布中学校は一つのテーマに沿って問題が作成されています。

出題に大きな特徴のある学校を受ける受験生で、かつ、社会でライバルに差をつけたい場合は、過去問は手に入る分だけやり切りましょう。この時期からは過去問自体が一番の教材になるので、過去問で傾向をつかむことを最優先にします。

もしも過去問をやり切ってしまった場合は、傾向が類似している中学校の過去問を解くのもおすすめです。

過去問の振り返りで時間配分をイメージトレーニング

過去問を何巡させればよいかというご質問もよくいただきます。第一志望校に関しては、1、2年分を2巡させる(2回は解く)方が良いです。2回目をやる目的は、時間配分の再確認や、問題の傾向をもう一度感じるためです。

直前期で時間がない場合や、第二志望校、第三志望校に関しては、過去問を1回目に解くときに間違えた問題に印をつけておき、その問題だけはやり直しておきましょう。

難関校・人気校の時事問題対策は?

時事問題対策にキーワード暗記はマスト。時事問題集を読み込んで背景を捉える

【中学受験】社会で点が取れないボリュームゾーンの6年生、今から間に合う学習法を伝授!」でもお伝えした通り、難関校・人気校の受験生も時事問題対策では、市販の問題集の中から1冊を選びます。

問題集にある重要キーワードを覚えるのはマストです。難関校・人気校では、できごとの背景を理解していないと答えられないような記述問題も出題されるため、問題集の解説文もしっかり読み込みましょう。
また、時事問題は地理・歴史・公民の基本的な知識と組み合わせて出題されることも多いので、各分野の知識に時事をのせていくイメージで学習を進めましょう。

難関校・人気校向けの時事予想問題!

2022年も社会に大きな動きがありました。その一つが「円安」です。
円安に関する問題は、多くの学校で取り上げられることが予想されます。次の問題を通して、しっかりとおさらいをしておきましょう。

【問題】

2022年は円安が大きく進んだ年になったが、円安が進むと多くのものを海外から輸入している日本は不利だと言われている。
その理由を資源という言葉を用いてどのように不利なのか説明しなさい。

【解答】

円安が進むと原油などの資源の輸入価格が高くなり、その資源を使って作る製品の値段も結果的に上がってしまい、製品が売れなくなるから。

【解説】

円安、円高の入試問題では、最頻出の内容として、「円安は輸入に不利、輸出に有利」、「円高は輸入に有利、輸出に不利」ということを理解できているかが問われます。
この問題は、その重要事項から一歩進んで、円安が輸入に不利なことで、その結果どのようなことが起こるのかを答えることが求められている問題になっています。

最後に野村先生から受験生へメッセージ

時事問題は誰にとってもはじめて覚えるキーワードが多い分野です。
つまり、みんなが同じスタートラインの分野なので、時事問題が苦手という子はいません。そのため、時事問題だけでも得意分野にすれば2点でも4点でも点が稼げます。
さらに4教科の総合点がアップすることで合格の可能性がさらに高まります。

市販の時事問題参考書でポイントが分かりづらい場合は、わたしが時事問題のポイントを解説したCD付き時事問題教材「時事問題ターゲット」もありますので、ぜひ状況に応じてお役立てください。

最後になりますが、受験生の皆さまが中学受験において達成感を持てる結果になることを願っております。

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

群馬県生まれ、広島県育ち。愛光高校、慶應義塾大学商学部卒業。
中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表。家庭学習で社会全分野の効率の良い授業がたった13時間でマスターできるCD教材「コンプリートマスター」や、社会の最重要キーワードをまとめた一問一答問題集「プラチナインプット」、最新の時事問題を収録した「時事問題ターゲット」などの教材開発を行い、通販を通じて年間に3,000名以上の受験生、及びその父兄と関わっている。

スタディアップ 公式サイト

主な著書に『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)や、『中学受験 社会 合格への家庭内戦略』(小学館)、『中学受験 第一志望に合格したいなら“社会”の後回しは危険です』(学研プラス)などがある。

また、「あなたが探す中学受験情報の答えがここにある!」をコンセプトに掲げたメディアである「中学受験アンサー」も運営しており、中学受験生の保護者のために情報提供も行っている。