中学受験を人生の糧に!親から子に伝えたいこと ~二月の勝者×おおたとしまさ~(3ページ目)

大人たちにも投げかけたメッセージとは

100の言葉の中には、受験生やその親というカテゴリーだけでなく、大学生や社会人、主婦など、どのような立場の人でもドキッとしてしまうサジェスチョンがたくさん登場します。たとえば、第13講「入試本番での唯一の味方はそれまでがんばってきた自分。そのときまでにどれだけ頼もしい自分をつくっておけるかの勝負だよ」。

受験生だけでなく、大人たちも日々、さまざまな場面で不安を抱えながら、仕事や課題と向き合っています。おおたさんは、「そのときに頼りになるのは『自分はできる限りのことをやってきたんだ』という自信です。そこに自信がもてないと、不安に勝てません」と不安に打ち勝つ方法を明かし、「早い段階からそのことをイメージできると、未来の自分のためにつらいところでのもうひと踏ん張りができる受験生になっていきます。またそういう未来志向の視点に立つことで、いまの自分と対話するだけでなく、未来の自分と対話できるひとに育ちます」と言葉にこめた意義を解説します。

未来志向の視点に立つことで、未来の自分と対話できるひとになる。大人になってしまった筆者には、「あなたはこれまで、できる限りのことをやってきましたか?」「ちゃんと昔の自分と向きあえる大人になっていますか?」と問いかけられているように読めるのです。この本は、受験生のためだけでなく、おおたさんが大人たちに投げかけたメッセージ集でもあると思います。