読書好きな子をつくる親の必殺技とは?(2ページ目)

子どもへのいちばんの贈り物は「読み聞かせ」

子どもへのいちばんの贈り物は「読み聞かせ」

本書の著者、白坂洋一先生は、鹿児島県の公立小学校の教諭を経て、現在は、筑波大学附属小学校の国語科教諭をなさっている方です。長年の教師生活の中で、小学生と本との出合いに心を尽くしてこられました。

ですから、本書の中には、本との出合いで見違えるように変わっていった実在の小学生のエピソードが多数散りばめられています。子どもと本との出合いには、本当にさまざまなケースがあるんだと感心してしまいます。それに、本との運命的な出合いときに、最も身近な親がどう対応するかも大切なポイントなんだと気づかされました。

加えて白石先生ご自身、3人のお子さまの親として、ずっと読み聞かせを続けておられるのです。忙しい生活の中での読み聞かせの実践法は、とても参考になります。どんなに忙しくてもあきらめない、でも無理はしないといった頃合いがわかるのです。

それに読み聞かせは幼児期のことと思っていたら、違っていました! 子どもがすでに高学年になっていて、これまで読み聞かせをしてこなかった親御さんが一念発起読み聞かせを始めることを、白石先生はすすめておられます。

そう、「読み聞かせ」は、「子どもを読書好きにするために親ができること」の筆頭です。それは0歳児から始めることができればとてもいいし、逆に小学校高学年になってからでもかまいません。なぜ「読み聞かせ」がいいかといえば、何より、子どもが親と同じ時間・同じ本の内容を共有する「親子の時間」だから。親子一緒に本に親しむ――これが素晴らしいのです。本書には、子どもの年齢にあわせて、どんなふうに読み聞かせをするといいのかが、詳細に書いてあります。