読書好きな子をつくる親の必殺技とは?

多くの親が子どもに読書習慣をつけたいと願っていますが、現代は、これがとても難しい時代です。ゲームやネットなどのデジタルツールが、読書よりぐっと簡単に感覚だけで夢中になれる楽しみだからです。そのため、子どもが本に親しむには、少々親のサポートが必要。親としてどんなことができるでしょうか? とっておきのアドバイスをしてくれる新刊が発売されました。

いいことずくめの読書。でも現実は…

『子どもを読書好きにするために親ができること』というタイトルの新刊をご紹介します。ずいぶんと長いタイトルですが、このネーミングには、著者の深い思いがあったんだと、読んだ後で気づきました。本書は、「子どもに読書をさせるため」ではなく「子どもを読書好きにするため」に、親に読んでほしい本なのです。そして、この違いこそ、子どもが生涯本に親しむようになるカギなのです。

本書のカバーの折り返しには、以下のような本書からの引用が掲載されています。

小学生の読書はいいことばかりです。

語彙が豊かになる
知識が得られる
心が穏やかになる
表現力が高まる
読解力がつく
人間性を高められる
物語を楽しめる
集中力がつく
感受性が高まる

確かに読書は、いいことずくめです。これらの「いいこと」を否定する人はほとんどいないでしょう。だから多くの親は、子どもに本を読んでほしいと願います。でも、現実は違う! なんと今や、大学生のほぼ2人にひとりが、読書を一切しない生活を送っているのだそうです(本書「はじめに」より)。それに、大人の世界をみても、明らかに読書の時間は減っているようです。

ゲーム、スマホ、インターネットと、楽しみの数が圧倒的に増えたデジタル時代、子どもが読書時間を減らしてしまうのは、ある意味しかたのないことかもしれません。でも、もし本を読むことが、ゲームをすることと同じくらい楽しかったら、その子は誰に言われなくても自ら本を手に取るようになるでしょう。「いいこと」だから本を読むのではなく、本が好きだから本を読む子になる……、本書の著者は、このことを心から願っているのです。